「西洋菓子店プティ・フール」洋菓子店を舞台にした恋物語【あらすじ・感想】

「西洋菓子店プティ・フール」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「西洋菓子店プティ・フール」を読んだきっかけ

お菓子は食べるのも作るのも大好きだったので、この作品のタイトルを見たときにすぐに購入しました。タイトルから連想すると、可愛い恋物語かなって思ったんです。デザインもまるで洋書を連想させてくれました。

「西洋菓子店プティ・フール」はどんな小説?

この作品は、2019年に発表された千早茜さんの短編集で、下町にある小さな洋菓子店を舞台に、パティシェールの亜樹と婚約者の祐介、そして亜樹の友人であるミナと、かつての店の後輩だった澄孝の4人のそれぞれの恋が甘く苦く繰り広げられます。

「西洋菓子店プティ・フール」のあらすじ・ストーリー

パティシェールである亜樹は、婚約をキッカケに店を辞め、祖父の営む小さな洋菓子店「プティ・フール」で働き始めました。ある日、亜樹がかつて働いていた店の後輩である澄孝と再会します。

澄孝は、亜樹に対して密かに恋心を抱いていました。そして、亜樹の友人であるミナは、そんな澄孝に好意を寄せていました。やがて、それぞれの恋心が複雑に絡み合っていきます。

「西洋菓子店プティ・フール」を読んだ感想

恋はまさにスイーツのようだと思いました。一口目は甘くて、その甘さにうっとりするけれど、その味を知れば知るほど繊細で、甘いクリームの奥に微かにアルコールを感じたり、チョコレートの甘さの中にビターさを感じたり、そんな繊細さがこの作品には溢れています。

そして、亜樹の職人気質な性格がとても良かったです。てっきり、か弱い女性がヒロインなのかなって思っていたら、亜樹はメイクもしなくて、ひたすら美味しいお菓子を作ることに夢中でした。

でも、だからこそ彼女の存在はこの作品のなかで凛と輝いて見えたのだと思います。恋愛って、綺麗なだけじゃない。ときには、嫉妬という名のスパイスにより醜い感情を芽生えさせる。でも、それはきっとそれだけ相手を愛しているからなんだろうと感じました。

そして、亜樹と対称的に見えたのが、彼女の友人であるミナです。彼女は、おしゃれや恋愛にとても敏感で、良い意味でも悪い意味でも女性らしいと思いました。

甘くて綺麗だけど、その甘さを引き立ててくれるのは苦味です。恋愛も、ほんの少し苦味を感じるからこそ夢中になってしまうのだと、亜樹とミナを見て思いました。そして、読んでいるだけで美味しそうに感じるスイーツの数々もたまりません。特に、シュークリームは世代のギャップを感じさせました。

じぃちゃんが作ったのは、昔ながらの柔らかなシュークリームですが、亜樹が作ったのは、やや皮が硬い今風のもの。1つのスイーツで時代の変化を表現するなんてすごいと思いました。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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