「キノの旅」色々な国を旅する様子を描いたライトノベル作品【あらすじ・感想】

「キノの旅」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

読んだきっかけ

「キノの旅」を最初に見かけたのは、街の本屋さんでした。元々読書好きの私は新しい本を求めて本屋に入り浸っては読んだことのない本を漁るのがが常でしたが、キノの旅は本の帯を見て気にはなったものの、即購入することはありませんでした。

何故かと申しますと、同じ作者様の別のシリーズ本を読んで面白いとは感じなかったからです。その時は買わずに帰ったものの、その後やっぱり気になって友人に尋ねたところ「面白いよ」とお勧めされ、とりあえず一巻から購入した次第です。

その後まさか既刊全部を一気買いすることになるとは夢にも思いませんでした。

どんなライトノベル?

「キノの旅」は、主人公の「キノ」と相棒のモトローラー「エルメス」が、色んな国を旅する様子を一話ごとに淡々と綴ったお話です(モトローラ―と作中で表現されていますがバイクのことです)。

登場する国の多くは、壁に囲われた土地が多く、その風土や文化は土地によって様々です。

そんな国々を時系列はバラバラに、時には主人公をすげ替えて、しかしお話の空気は変わらず淡々と綴られていく、キノの旅はそんなお話です。

あらすじ

一話完結で、一冊には3-5話ほど収録されており、時系列もバラバラのため、一冊でキノの旅のあらすじを知ることは難しいです。
おおまかに時系列で分けると、

  1. キノの師匠と相棒が旅した時代
  2. キノが自分が住んでいた国を飛び出し、師匠に出会うまで
  3. キノとシズ(別主人公)が旅する時代

に分かれます。

お話を読み進めキャラクターに魅力を感じ始めると、どうしてこのキャラクターは旅をすることになったんだろう?と疑問に感じるかと思います。その解答は必ず本編の中に用意されていますので、ぜひ気に入ったキャラクターが見つかれば読み進めてみてください。

感想

キノの旅の魅力は、ファンタジー世界のお話ではありますが、その根底は全くファンタジーではないところです。

現実では国境は陸続きな場所が多く、インターネットやテレビで各国の様子を即知ることが出来る私たちにとっては、キノの旅の世界はまさに異世界と感じる方も居るかもしれません。しかしお話を読み進めてみると、その印象は間違っていることが分かります。

多くの国を旅して多様な価値観を知っているキノ達にとっては、壁に覆われた狭い世界の中でちょっと風変わりな風習や思想を持つ住民達は、異様なものに見えます。ですが、狭い世界の中で暮らす人達にとっては、自分たちの思想が「当たり前」なのです。むしろキノのような旅人の方が彼らにとっては「異物」です。

この感覚を現実で感じたことはないでしょうか。例えば遠方へ引っ越したときに感じる疎外感、趣味や好みが全く異なる集まりに参加した時、海外へ留学した時のカルチャーショックなどです。

誰かの”普通”は、他の人にとって”普通”ではないことを常に自覚すべきだと、この本を読む度に私は痛感します。キノの旅は現在も刊行中で、時に淡々と、時に嘲笑うかのように私たちの普通に警鐘を鳴らします。老若男女問わず、是非一度読んで頂きたい本の一つです。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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