動物が革命を起こす農場「動物農場」の感想・あらすじ 組織がどのように腐敗していくのかがわかる小説

「動物農場」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「動物農場」を読んだきっかけ

とある日、出張先の書店で平積みされているのを見つけました。大学時代、ロシア史を専攻していた友人に貸してもらったことがあり、懐かしさを覚えました。組織が腐敗していく過程がわかると友人は絶賛していましたが、20歳の私の心にはあまり響かず、結局、ほとんど読まずに返してしまいました。あれから10年以上がたち、私の受け止め方も変わっているのではないかと思い、購入しました。

「動物農場」はどんな小説?

イギリスの作家、ジョージ・オーウェルが1945年に出した小説です。農場で、人間のために過酷な労働を強いられてきた動物たちが自立を目指しますが、次第にある動物が権力を握り、ほかの動物たちを支配していくようになります。

独裁体制がいかに築かれていくかを示す内容で、当時の旧ソ連の政治体制がモチーフになっています。オーウェルは最初、四つの出版社に小説を持ち込んだものの、いずれも出版を断られたそうです。

「動物農場」のあらすじ

ある農場にメイジャーという老いた豚がいました。メイジャーは、ほかの動物たちに、人間から解放され、動物のための農場を作ることを呼びかけました。メイジャーの死後、動物たちは反乱を起こし、農場主の人間を追い出しました。動物だけで農場を運営するため、スノーボールとナポレオンという2匹の若い豚が中心になり、守るべき七つの掟(七戒)を定めました。

リーダー知力に優れた豚たちでした。しかしナポレオンはスノーボールを追い出し、独裁体制を築いていきます。七戒も都合のいいように書き換えられますが、頭が良くないほかの動物たちは、うまく丸め込まれてしまいました。結局、豚以外の動物は、人間がいた頃と同じような生活に戻ってしまいます。一方、ナポレオンは周りの農場の人間たちと取引をはじめ、ついには二本足で立つようになりました。

「動物農場」を読んだ感想

独裁者はよく批判されますが、虐げられている側の人たちも独裁体制を生んだ要因であることには、あまり目を向けられません。この小説では、独裁者のナポレオンよりもむしろ、何も考えず、支配されていることにも気づかない、ほかの動物たちの無知と他人任せの性質を批判しているように思います。

個人的には、優しい力持ちの馬・ボクサーが解体業者に送られていく場面は切なくなりました。ボクサーもたくさん働いてきたご褒美として、のんびりとした生活ができる場所に連れて行ってもらえると思っていますし、仲間たちも、そう信じて嬉しそうに見送るのです。騙されているのに気づくチャンスはいくらでもあったのに……。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

その他、「動物農場」が読める電子書籍ストアはこちらです。

コミックシーモア  BOOK☆WALKER  ebookjapan  BookLive!  honto  ブックパス

タイトルとURLをコピーしました