韓非子に学ぶ、上司が意見を聞いてくれない理由とその対応方法


準備をして資料をまとめて上司に提案をしたのに、まったく聞いてもらえなかった…。

会社のことを思って言っているのに…。

そんな経験は誰しもあると思います。

これは絶対にやるべきだ。と意気込んで意見するほど、なぜか上司にはまともに聞いてもらえなかったりしますよね。

この記事では、韓非子の言葉から上司が意見を聞いてくれない理由とその対応方法をお伝えします。

凡そ説の難きは、わが知のもってこれに説くあるの難きにあらざるなり。またわが弁のよくわが意を明らかにするの難きにあらざるなり。またわれのあえて横佚してよく尽くすの難きにあらざるなり。

凡そ説の難きは、説くところの心を知り、わが説をもってこれに当つべきにあり。

説くところ名高のためにするに出ずる者なるに、これに説くに厚利をもってすれば、すなわち下節にして卑賤に遇すとせられて、必ず棄遠せられん。

説くところ厚利に出ずる者なるに、これに説くに名高をもってすれば、すなわち無心にして事情に遠しとせられて、必ず収められず。

説くところ陰には厚利のためにして顕には名高のためにする者なるに、これに説くに名高をもってせば、すなわち陽にはその身を収めて、実はこれを疏んぜん。

これに説くに厚利をもってせば、すなわち陰にはその言を用い、顕にはその身を棄てん。これ察せざるべからざるなり。

君主に自分の意見を説くことの難しさは、自分の持っている知識が君主に説くほどのものか、という難しさではなく、自分の意見を明確に表現できるのかという難しさでもない。

君主の怒りを恐れずに大胆に意見を言い尽くすことができるかという難しさでもない。

君主の心を知って、その心の内に合うように意見することが難しいのです。

君主が名声を高めることを望んでいるのに、利益を上げることを説いたら、下品で卑しい者だと評価される。

君主が利益を上げることを望んでいるのに、名声の高めることを説いたら、実利に疎い者だと評価される。

同じ会社で同じ部署で仕事をしていれば、目指しているものも基本的には同じようなもののはずです。

しかし、上司が部下の提案を受け入れなかったのであれば、その理由を知って、そこに対処しなくては提案を受け入れてもらうことはできません。

受け入れてもらえなかった原因の本質は、上司の心の内にあります。

もしかしたら上司は、その提案内容自体が悪かったのではなく、面倒だからしたくないと思ったのかもしれません。あるいは急に言われてびっくりしたから否定したのかもしれません。

だとしたら、提案したことを進めるときに面倒なことが発生しないようにする、発生したとしても全部自分でやってあげるようにする。

本気で提案をする前に、何度か少し伝えておいて上司に心の準備をさせておく。

といったことすべきですね。

上司の望んでいるものも満たしつつ、自分の意見も取り入れてもらえるようにする必要があります。

自分の私利私欲のためにやるのではダメですが、周りのためになる本当にやるべきことなのであれば、「これは正しいからやりましょう」と正面突破しようとするのでなく、その提案に許可を出す相手の心の内を知って、それに合わせて上手くやるほうが、結果として自分のやりたいことができるようになります。

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