「森の中でみつけたよ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「森の中でみつけたよ」を読んだきっかけ
私は自然や森の話が好きなこともあり、それに関連した物語だったので、読んでみようと思いました。また、主人公がどのように成長していくのかが気になり、そこに興味を惹かれました。
どんな小説?
「森のなかでみつけたよ」はドイツのヴォルフラム・ヘーネル氏が書いた児童文学小説で、挿絵はアレックス・ヴォルフ氏です。また、日本語訳は酒寄進一氏です。
児童書ですが、村人と山の中に住む謎の男の関係など、大人社会の人間関係も考えさせられる物語です。
あらすじ
主人公の少年アンデルスはある村に住んでいました。彼には母さんはいませんが、父さんとおばさんがいました。アンデルスは体が小さく痩せていて、すぐにめまいを起こしてしまいます。
そんな彼は半日空を眺めて過ごすような少年でした。近所にヤンという少年がいました。彼はアンデルスよりも年上でいじめっ子です。ヤンからいじめられているアンデルスでしたが、ある早春の日、彼は森へ行ってみたくなりました。
アンデルスの父さんは「森なんかに行ってどうするのだ」と言いましたが、彼は春を探したいと言って出かけて行ってしまいました。彼は肌寒さを感じながらも、どんどん森の奥へ行きました。
すると、古い木の橋があり、いじめっ子のヤンも渡ったことがありません。その橋の向こうにはヤスパーという謎の男が住んでいると言う噂を彼も知っていました。
ですが、彼は川を越えた向こうに春がやってきているかもしれないと思い、勇気を出して橋を渡りました。彼はさらに森の奥へ進んでいくと、春の遅い雪が降ってきました。
そして吹雪になってしまい、あっという間に真っ白になってしまいました。すると、目の前に一羽のウサギがやってきました。アンデルスはお腹が空き、ポケットにあったナッツチョコを食べようとしていたので、それをそのウサギにもわけてあげました。
さらに雪は酷くなり、アンデルスはそのまま倒れてしまいました。ウサギはその様子を見て走り出しました。アンデルスが目を覚ますと、ベッドの上に横たわっていました。そこには無精髭を生やし、ボロボロのシャツを着た男がいました。
アンデルスはその男がヤスパーだと分かりました。ヤスパーは彼に朝食を作ってくれました。そこにはあの吹雪で出会ったウサギもいました。吹雪は止み、アンデルスはヤスパーに道を教えてもらって別れました。
彼が橋まで戻ると、父さんや村人たちに会いました。父さんはアンデルスを抱きしめました。いじめっ子のヤンも来ていました。彼はアンデルスの話を聞き、彼の事を認めたようでした。そして二人は仲良くなりました。
読んだ感想
気の弱い少年が冒険をして、逞しくなっていく姿がとても印象に残る作品でした。アンデルスの好奇心が全てに勝ったのだと思いました。森に棲むヤスパーは謎の男として村人たちに噂されていましたが、本当はとても良い人なのだと思いました。
ですが、普通の人間社会に馴染めず、自然とともに暮らすために、森の中で暮らし始めたのだと思います。他の物語でもこのヤスパーのような人物が登場することがあります。
ですが、そのほとんどはとても良い人です。アンデルスがヤスパーと知り合いになったことで、今後は村人たちとの付き合い方も変わって行くような気がします。
また、いじめっ子のヤンも本当はアンデルスと仲良くなりたかったのかもしれません。そのきっかけがこのアンデルスが橋を渡ったことで、見る目が変わったようです。この勇気は他の事に例えるならば、大人の世界でも十分に通じることだと思いました。
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