「絶対城先輩の妖怪学講座」オカルト的事件を解決していく物語。妖怪を知ることができる作品

「絶対城先輩の妖怪学講座」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「絶対城先輩の妖怪学講座」を読んだきっかけ

もともとオカルト・ホラー系の漫画や小説が好きで書店で好きそうなものを探していたときに、コミカライズのお知らせとサンプルの冊子があるこの本に目がとまりました。内容をざっと読んでみたところ非常に面白く、タイトルも「妖怪」とあるので興味を持ち、読むことにしました。

どんなライトノベル?

絶対城先輩の妖怪学講座は、主人公である絶対城の元へ届けられる様々なオカルト的事件を、妖怪の知識豊富な絶対城が解決していく、伝奇ミステリ小説です。

私たちが馴染み深い妖怪から、マイナーなものまで、様々な妖怪が話に登場します。それらについて深い知識を持つ絶対城と、助手である湯ノ山が事件を通してお互いへの理解を深めていく、人間ドラマ的な側面もある小説です。

あらすじ

田舎から上京し、大学デビューを狙う女子大生・湯ノ山礼音。今まではボーイッシュで素朴な見た目と性格でしたが、これを機に華やかなキャンパスライフをおくろうと心に決めていました。

彼女には幼少期からの悩みがあります。それは、時折訪れる謎の強烈な頭痛。お酒を飲んだりすると特に症状が起きやすく、その悩みが湯ノ山の生活に影を落としていました。

そんな折に大学の友人に歓迎コンパへ招待された湯ノ山は、騙されそうになった友人を助けようとした結果、逆に自分が騙され、苦手なお酒を飲まされてしまいます。怒って飛び出した先で出会った大学助教授・織口の紹介を受けて、頭痛を直すために訪れたのが、「絶対城」という男が管理する資料室でした。

友人の話をすると、絶対城が血相を変えて飛び出していき、持ち前の妖怪の知識を使って友人を救ってくれます。…しかし、彼は人のためにやったわけではなく、間違った妖怪の知識を流布されるのが嫌だっただけ、という変わりものだということが判明します。

そんな変わりものの絶対城でしたが、湯ノ山の頭痛を一時的に直してくれます。しかし、このまま完治したければ、持ち込まれるオカルト的事件や依頼を解決する手伝いをする助手として働け、という交換条件を出されてしまいます。

絶対城の目的は、妖怪の知識を記した記録の解読と完成。より多くの知識を得たり、資金を調達するために依頼をこなすことは重要な仕事ですが、人手が足りなくなっていたようです。

最初は渋々だった湯ノ山でしたが、絶対城の元へ依頼される事件を共に解決するうちに、彼が持つ悩みや妖怪への深い愛、優しさを垣間見て信頼を深めていきます。

しかし、そんな生活の中で絶対城がなぜか嫌っている織口からの接触が増え始め、彼女と絶対城の対立が浮き彫りになっていきます。その渦中に巻き込まれた湯ノ山は、絶対城と織口の秘密に触れていくことになるのでした。

読んだ感想

まず、なんといっても作者の妖怪への知識と愛が素晴らしい。井上円了をはじめとする様々な民俗学的資料を紐解き、読者にわかりやすく妖怪とはどのようなものか、というものを説明しています。

妖怪好きならニヤッとできるような妖怪のチョイスであったり、詳しくない人でも最初から理解していけるような文章でまとめられていて、読んでいてとてもワクワクします。

また、ヒロインの湯ノ山と絶対城の関係がとてもよく、初めはお互いへの理解が足りなかった2人が、終盤では互いに気遣う場面もあり、人間ドラマとしても良い作品でした。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

その他、「絶対城先輩の妖怪学講座」が読める電子書籍ストアはこちらです。

コミックシーモア  BOOK☆WALKER  ebookjapan  BookLive!  honto  ブックパス

タイトルとURLをコピーしました