「数字であそぼ。」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
出典：https://www.amazon.co.jp
「数字であそぼ。」を読んだきっかけ
ネット記事で紹介されていて、お試し無料で読めたのがきっかけです。数学の考え方を分かりやすく説明しているのが気に入って、もっと読みたいと思いコミックスを購入しました。
どんな小説？
「数字であそぼ。」は名門大学の理学部を舞台にした、青春コメディ理系漫画です。著者は連続TVドラマ化もされた「 重要参考人探偵」の絹田村子です。
主人公と友人達の一風変わったキャンパスライフを通して、数学の考え方や面白さが自然と理解できるようになる作品です。数学が苦手だった人や、数学者の世界を知りたい方にオススメです。
あらすじ
主人公・横辺建己(よこべたてき)は、子供の頃から「神童」「将来のノーベル賞候補」と呼ばれ育ちます。
一度見た物は忘れない驚異的な記憶力のおかげで、西の名門と名高い吉田大学理学部に見事合格し、物理学者を目指します。
意気揚々と初日の「微分積分学」の授業を受けるも、高校までの授業とはまるで異なる講義を全く理解できずに、人生初めての挫折を味わいます。
そんな彼の前で、「よく分かった」と満足気に教室を出て行く夏目まふゆに声をかけると、彼女は「考えればわかる、数学は理解する学問だもの」と言い放ち、自分が何も理解していなかった事を思い知り絶望。建己はその日から2年間大学に行けず、下宿で悶々とした日々を過ごします。
そんなある日、大学から手紙が届き覚悟を決めて面談に望んだ建己に、風変わりな教授は「お友達を作りなさい」とアドバイスをします。友人となら乗り越えられるかもと、再び大学生活を取り戻すべく発奮する建己。
が、新入生の眩しさに気後れし、誰にも声をかけられずにいる彼に、話しかけてきた人物こそ同じく2年留年している北方創介。二人は意気投合しますが、北方は数学を理解している側の人間でした。
これまで暗記だけで乗り切ってきて、考えるという事をしてこなかった建己に、北方は『円周の長さを求める公式だけで、円の面積を求めるにはどうするか』という問題を出します。公式が無ければ無理だと言う建己に対し、北方はトイレットペーパーの一部に切り込みを入れて、三角形の形に変えます。
これならば三角形の面積の求め方で円の面積も分かると気づいた建己は、考えるという数字の本質にようやく気付き始め、暗闇の中に一筋の光明を見ます。しかしそれは果てしない数学の沼への第一歩に過ぎなかったのでした。
こうして彼は、頭は良いが変人だらけの友人達や教授に翻弄されながら、もう一度数学に向き合い大学卒業を目指すのでした。
読んだ感想
数学が苦手だった人間には、とっつき難いタイトルだなと思いながら読み始めたら、主人公が公式だけで問題を解いていた、まさに自分のような人間で親近感を覚えました。
漫画のタイプとしては「動物のお医者さん」に凄く近いなと思います。実在の国立大学の理系学部がモデルになっている点（名前は異なるものの明らかに京都大学）や、奇人変人の友人や個性的すぎる教授、一般人の知らない業界情報やあるあるが盛り込まれているところなど、「動物のお医者さん」が好きな人は違和感無く入り込めると思います。
作中に数学の概念や法則が出てきますが、数学を離れて久しい人にも分かりやすい例え方やイラストで表されているので、自然と数学の面白さが伝わってくるのがとても優れていると思います。
また、ギャグのテンポも良く、個性的な理系人間の生態を見ているだけでも楽しめます。 数学や理系に縁がないという人にこそ、是非読んで欲しい作品です。
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