「アスペル・カノジョ」がどのような作品なのか、読者によるマンガのあらすじと感想で紹介します。
「アスペル・カノジョ」はどんなマンガ?
アスペル・カノジョは、2018年からコミックDAYSで連載中の、萩本創八原作・森田蓮次作画の日常系ラブストーリーです。
発達障害・アスペルガー症候群について真正面から取り組む意欲作で、その実態がこの作品を通して克明に刻まれている異色な傑作です。
「アスペル・カノジョ」のあらすじ
売れない末端同人誌作家でありなんとか新聞配達員として生計を立てている青年・横井の元へ突然、一人の少女が訪問する。
彼女は横井の同人誌のファンであるといい、はるばる鳥取からやってきたという。
突然の出来事に戸惑いを隠せない横井だったが、自分の同人誌のファンに会うのは初めてということもあり、家へあげることに。
横井は彼女と対面し語り合っていくうちに、彼女の独特な感性と、彼女の抱えている深い傷を垣間見ていくことになり、次第に彼女の心に寄り添っていくようになる。
社会に馴染めず苦しんでいる2人が寄り添いあいながら、何とかして前へ進んで生きていこうとする物語です。
「アスペル・カノジョ」を読んだ感想
衝撃をうけたのがアスペルガー症候群を患う齋藤さんという少女の内面がリアルに表現されていることでした。
例えば、
- 突然犬を蹴飛ばした理由は幼いころ犬小屋に閉じ込められていたトラウマで、犬に触れたら長い間その触れた部分を洗浄しないと気が済まない
- 自身の誕生日は家族が嫌々祝ってくれているのが目に見えてわかってしまい、その様子が苦痛すぎて逃げ出して家出をするほどになってしまったので、好きな横井ともその誕生日だけは一緒に居たくない
といったエピソードがたくさん出てきます。
他にも人の感情が理解できない、曖昧な部分がハッキリしないとわからない、忖度できない、空気を読めないなど、アスペルガー症候群に関する事例が数多くリアルに描かれています。
私は発達障害持ちではないですが、障害を持っているがために社会を生きるのがつらく、幼少期から心に大きな傷を負っている齋藤さんを見るたびに、共感に近い感情を抱いてしまいます。
同人作家である横井も他人と合わせて生きることにつらさをおぼえている孤独な青年で、彼の心境もまたリアルで共感できるところがあり、1話ごとに目が離せません。
一応好き合っているのでラブストーリーではありますが、過去のフラッシュバックに度々悩まされて自殺寸前の齋藤さんを横井が必死になって対処しているという状況が続いていて、果たして今後どうなっていくのか不安でいっぱいですがもの凄く気になっています。
1巻目を読んで一発でファンになってしまった思い入れの深い作品です。
Amazonや楽天で購入して読むことができます。
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