「スロウハイツの神様」作者・辻村深月が描いた大学生の青春系の物語【あらすじ・感想】

「スロウハイツの神様」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「スロウハイツの神様」を読んだきっかけ

2020年に始まった緊急事態宣言で家から出られない中で、大学生の青春系の物語が読みたい気分になっていました。青春系の小説のまとめサイトの中でおすすめランキング一位になっていたので、手にとってみました。

どんな小説?

作者は辻村深月さんです。この方の小説の特徴として、複数の小説の世界線がつながっていることという点が挙げられます。

ある小説のキャラクターが別の小説にも登場するということです。お気に入りのキャラクターが別の小説にいきなり出てきたときにはテンションがかなり上ります。

そのため「辻村深月ワールド」とも呼ばれているのですが、『スロウハイツの神様』は辻村深月ワールドのスタートの一冊目に位置するため、単体で面白い小説を探している方はもちろん、読書を習慣化したい方にもおすすめの内容です。

あらすじ

物語の中心人物は漫画家、脚本家、小説家、映画監督、イラストレーターなど、20代前半のクリエイターの卵たちです。友人であり戦友でもある彼らが、ひとつ屋根の下で暮らし、それぞれの夢を追いかける青春系ストーリーです。

タイトルの「スロウハイツ」とは彼らが一緒に住んでいるアパート名で、かつて伝説の漫画家たちがひとつ屋根の下で切磋琢磨した「トキワ荘」の現代版です。

スロウハイツに部屋は7部屋、住人は全部で6人です。

101号室の少年漫画家を目指すがなかながうまく書けない狩野壮太。

102号室の映画監督を目指すも感情を作品に表現できない長野正義。

103号室の正義の彼女で画家を目指すも積極性が足りない森永すみれ。

201号室は空き部屋。

202号室は中高生に絶大な人気を誇るも人間性にやや問題有りの小説家のチヨダ・コーキ。

203号室はコーキを売り出した冷静沈着な敏腕編集者の黒田智志。3階は人気上昇中の脚本家でありスロウハイツのオーナーである赤羽環。彼らは共に切磋琢磨し、それぞれの好きなことに没頭しながら、互いの夢を叶えようと必死になります。

しかし理想とは異なりなかなかうまく行かない現実に苦しんだり、同居人同士の複雑な人間関係などに彼らは悩まされます。

また、唯一空き部屋が存在する理由や、物語の途中で空き部屋に入ってくる住人、それぞれの住人の過去の繋がりなど、ミステリーとしての一面も色濃く、物語のいたる所に伏線が散りばめられています。

若い彼らがそれらの困難をどのように乗り越えるのか、そして彼らは夢を叶えることができるのか。物語の最後には彼らの未来の姿を見ることが出来ます。青春×ミステリー、最後には涙ありの夢を追う若者が読むべき物語です。

読んだ感想

今まで読んだ中で一番好きな小説です。登場人物と20代前半と年齢が近いことも有り、それぞれの生活や夢を追う姿に非常に共感を覚えました。

夢と現実のギャップや複雑な人間関係など、青春系の物語として非常に面白く、現実の生活で頑張る元気がもらえます。

しかし、ミステリーの要素が物語が進むにつれてどんどん濃くなっていく点も魅力的です。繰り返し読めば読むほど面白くなっていきます。またこの作品は辻村深月ワールドの始めの一冊なので、この小説に出てくるキャラクターが他の辻村深月さんの小説にもどんどん出てきます。

この小説で辻村深月さん作品にドハマリしてしまったため、他の辻村深月ワールドの作品を読むのが非常に楽しみです。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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