「白い巨塔」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。
「白い巨塔」を読んだきっかけ
家族から「面白い小説を読みたいなら白い巨塔がいいよ」と言われたのが読んだきっかけです。それでどれだけ面白いのかと思って一度読んでみようと思いました。
「白い巨塔」はどんな小説?
白い巨塔は山崎豊子原作の小説で、大病院が抱える医者の問題を題材として、エンタメ的な要素を持たせた作品となっています。患者のことよりも自身の出世ばかりこだわる財前と徹底して患者と向き合う里見が互いの信念に従って行動する作品。
全く相容れない価値観を持った2人の人間ドラマを描いた傑作が白い巨塔という作品の魅力です。
主人公の財前が患者の命を軽んじる行動を取るのもこの作品の面白さに繋がっていて、自分の欲望に忠実な点も妙なリアルさがあります。
「白い巨塔」のあらすじ・ストーリー
財前は大学病院でその優れた外科医としてその腕を振るっていました。そして、東教授の元みるみる外科医としてその存在を示すようになり教授である東よりも助教授の財前の方が優れていると思われるようになっていた。
そんな風に言われるようになって次期教授になるのは自分だと思っていた財前だったが、東教授との仲は悪くなる一方で東教授は次の教授は別の医師にさせるように画策する。
それを知った財前は自分が次期教授になれないかもしれないと思い、教授選挙で自分に票が入るように画策する。自身が教授になるためにあらゆる手を使って教授になろうとする。
票集めも順調にいかなこともあったが、なんとか票集めに成功して見事教授選挙に勝つのでした。
これで順風満帆に行くと思われていた財前だったが、財前に思わぬトラブルが発生します。それは財前が患者の命を軽んじてきた結果、患者の癌を見逃して死なしてしまい、患者に医療裁判を起こされる事に。
財前は自身の教授選挙で癌患者の手術をやっている場合ではないと思っていたから、このような事態に繋がってしまった。そんな彼に医療裁判という試練が降りかかり最大のピンチとなります。
だが、財前自身は絶体の自信を持っていて裁判で負けることはないと自信を見せる。
「白い巨塔」を読んだ感想
白い巨塔という作品を読んだ感想ですが、かなり面白い作品だと思いました。私がこの作品が優れていると思った点は主人公の財前が完全に悪役ポジションであるのが良いと思いました。
ですが、悪役ポジションといってもとても人間臭い感じがするので憎めないキャラだと思いました。確かにかなりの野心家で自分の出世のためなら手段を選ばない性格です。
ですが、それは誰もが持っている普通の欲求で全く出世欲がない方が稀です。そのような人間臭さを出している医者が主人公というのがすごく新鮮でした。
大抵医者が主人公の作品というのは患者の命を助ける事が至上命題だと言わんばかリの作品ばかりです。確かに医者の仕事は患者を治療する事ですが欲望に忠実な医者がいるのも確かです。
そのような医者を描いているこの作品はやはりすごいと思いました。また、序盤は自分の思い通りになっていい気になっていても終盤は大どんでん返しがあってオチもかなり秀逸で面白かったです。
なかなか医者を描いた作品でここまで主人公が出世ばかり考えているのはなく、また他にも胡散臭いキャラが出てきたりとかなり読みごたえがあると思いました。
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