貴志祐介の作品から、読者アンケートでおすすめの小説を14冊を選びました。投票の多かった順に紹介していくので、どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。
1位「ゴッド・ブレイス物語」6票
朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。
切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、読んで涙せずにはいられない、花村万月、鮮烈のデビュー作。第2回小説すばる新人賞受賞作。
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読者の声
個性豊かな男女の恋愛がストーリー素晴らしく、好きなポイントです。(27歳 女性 会社員)
朝子という19歳のロックシンガーの姿を通して描かれる濃厚な愛と冒険の物語。(56歳 男性 無職)
ロック歌手の若い女性が主人公の物語。主人公を取り巻くトラブルを乗り越え、成長していく様を描き出しています。(52歳 男性 会社員)
目線がずっと主人公女性の視点なのでとても見やすい作品です。ジャズの面白さが非常にうまく描写されているので、本気でジャズを始めてみようかと考えさせられた作品です。(36歳 男性 自営業)
主人公が苦労して成長していく姿にとても感動できますし、私も頑張ろうって思えるような素敵な作品です。心に響きました。(42歳 女性 パート・アルバイト)
19歳の麻倉朝子はハード・ブギをメインに演奏するバンド「ゴッド・ブレイス」のボーカルでバンド・マスター(45歳 女性 パート・アルバイト)
「ブルース」4票
南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。激しい時化に呻く25万トンの巨大タンカーの中で、村上の友人、崔は死んだ。仕事中の事故とはいえ、崔を死に至らしめた原因は、日本刀を片手に彼らを監督する徳山の執拗ないたぶりにあった。
徳山は同性愛者であった。そして村上を愛していた。村上と親しかった崔の死こそ徳山の嫉妬であり、彼独自の愛の形であった―。
横浜・寿町を舞台に、錆び付いたギタリスト村上とエキセントリックな歌姫綾、そしてホモのヤクザ徳山が奏でる哀しい旋律。芥川賞作家が描く、濃密で過剰な物語。
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読者の声
花村作品らしい、硬派で社会の底辺を這いずり回るような泥臭い描写が魅力的です。(37歳 男性 自営業)
バイオレンスと官能的な要素が絡み合って面白かった。ストーリーもなかなか味わったことのないストーリーでハマりました。(39歳 男性 無職)
タンカーという狭い世界の中で男同士の嫉妬感が激しく描かれていて、独特の世界観に面白みを感じました。(46歳 男性 会社員)
ギタリスト、歌姫、そしてホモのヤクザという3人のアウトローが奏でる哀しい旋律を「ブルース」で読ませる著者の傑作です。(50歳 女性 自営業)
「ゲルマニウムの夜」4票
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国―世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞
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読者の声
第119回上半期、芥川賞受賞作品になります。 陰鬱さの漂う生々しい世界観に酔いしれて下さい。(25歳 男性 パート・アルバイト)
暴力や性描写に嫌悪感さえ抱かせられたが、それでも読み進めてしまうほど作品に力があった。(43歳 女性 主婦・主夫)
冒頭が荒れた生活の描写のためフィクションだと思っていたら作者の実体験がモデルであったことがポイントになります。是非元気のある時に読んでください。読了後は体力・精神力が削がれます。(32歳 女性 自営業)
主人公の朧が暴力と肉欲に支配された人格をしており、猟奇的なポルノ小説を読みたい人におススメです。(29歳 男性 無職)
「笑う山崎」3票
マリーは泣きそうな子供のような顔をした。「なにする!」圧しころした声で言った。「犯しに来た」その一言で、マリーは硬直した。冷酷無比の極道、山崎。
優男ではあるが、特異なカリスマ性を持つ彼が見せる、極限の暴力と、常軌を逸した愛とは!フィリピン女性マリーを妻にしたとき、恐るべき運命が幕を開けた…。
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読者の声
想像したくないような暴力シーンがあり、それなのに読み進めたくなる作品です。登場人物の考える愛ってなんなのでしょう、と思わされます。(19歳 女性 学生)
きわめて暴力的で傍若無人でありながら、どこか憎めない主人公・山崎の生き様、人生観が痛快です(60歳 男性 自営業)
惨酷な描写が多く見られますが非常に魅力ある文章で独自の世界観に引き込まれがちな点が良いです。(44歳 男性 会社員)
「イグナシオ」3票
神父や修導士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した集団生活―修道院とは名ばかりの教護施設で、混血児イグナシオは友人を事故に見せかけ殺害した。
修道女・文子は偶然現場を目撃するが、沈黙することをイグナシオと約束する。“人を裁けるのは、神だけです。” 静謐に言い放つ文子にイグナシオは強く女性を意識し、施設を脱走する最後の晩、初めて文子と結ばれる。
そして、己の居場所を探して彷徨い新宿歌舞伎町に辿り着いたイグナシオは、新たな生活を始めるが…。芥川賞受賞作と対なす記念碑的名作、待望の文庫化。
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読者の声
主人公が、親しい友達を平気で殺してしまう冷酷さに、思わず吸い込まれてしまいます。(28歳 男性 会社員)
宗教と男女の性、古より様々な考え方があるが1つの答えを導き出すような作品になっている。(47歳 男性 会社員)
魅力的な主人公です。高い頭脳と美しい容姿を併せ持ち、かつ不道徳、時に見せる狂暴さは読んでいて怖いような背徳感に酔えます。情景描写が生々しく、五感を震わせてくれます。(39歳 女性 パート・アルバイト)
「皆月」2票
諏訪徳雄はコンピュータおたくのさえない40男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1000万円の貯金とともに蒸発してしまう。徳雄は会社をやめ、ゲイの男とケンカして、前歯まで失ってしまう。ボロボロになった男に救いの手をさしのべるのは…?どん底に落ちた中年の再生物語。
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読者の声
男女の恋愛が荒々しく展開されていますが、本来人がもっている本能をストレートに感じることができる作品です(62歳 男性 会社員)
妻に逃げられた中年男が、所謂アウトローの人々に助けられながら変貌していく姿が生々しく描かれた傑作です。(59歳 男性 自営業)
「ヒカリ」2票
那覇で占い屋を営む崎島乙郎。彼の運命は超常的な力を宿した美少女・仲村ヒカリとの出会いで一変する。彼女のアイデアで、崎島は霊感がある者を募り“ユタの館”を開業、一躍注目スポットに。
だが、突如海から上陸した人ならざるもの・マリンコーに盛況はかき消された。国境を越えて無差別殺戮を開始したのだ。荒廃した世界を生き抜くため、残された人々の狂騒は激化するばかり。極限状態の果て、崎島たちはヒカリに隠された大いなる秘密を知り…。
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読者の声
この作品は、占いという影響を含めながら、主人公とある少女に起こる内容が見どころです。(42歳 女性 無職)
世界平和を考えさせるような内容で、決して戦ってはいけないと思いました。(52歳 男性 会社員)
「眠り猫」1票
私立探偵、なのだという。だが村上冴子の眼の前にいるのは、かなり変わった二人組だ。元刑事の“眠り猫”こと仁賀丈太、相棒で元ヤクザの長田勲。人生の裏を見られるかもしれない―。
猫のたったひとつの殺し文句で、女優の道を捨てた冴子は探偵助手となった。やがて、暴力団の激しい抗争に飲みこまれる事も知らずに。作家花村万月の名を世に轟かせた、超一級のエンタテインメント。
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読者の声
元刑事で探偵の眠り猫が相棒の長田を殺され助手と共に敵を討つおもしろい話し。(50歳 女性 自営業)
「日蝕えつきる」1票
天明6年元日、皆既日蝕でこの国が闇に包まれた。その最中に無惨にも死んでいく男女。飯盛女から夜鷹となり、唐瘡に罹ってしまう千代。戯者の夢と裏腹に陰間茶屋で暮らすことになる吉弥…。
天災や大飢饉にみまわれた世の底辺で、這いずるように生きて死ぬ人間の姿が克明に描かれる。救いのなさに思わず目を背けたくなるが、克明な描写の粘度が目を捉えて離さない5編。第30回柴田錬三郎賞受賞作。
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読者の声
解説の「この本を読む者は希望を一切捨てよ」の通り。本当に救いがない作品でした。容赦のない描写が本当にあったことなのだろうかと思わされる。(34歳 男性 会社員)
「二進法の犬」1票
家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。彼女の父は、少数精鋭の武闘派博徒乾組組長・乾十郎であった。
鷲津は、乾組という組織、十郎の「白い黒か」を徹底する究極の生き様、そして倫子の凛とした存在に、しだいに自分の所在を見いだしていく。やがて鷲津が手にしたある情報が、乾組を揺るがす大きなうねりを引き起こす。博打、抗争、性愛…激流のなか、鷲津が手にしたもの、それは―。
ひとの心が抱える深い闇―その暗黒を重厚に、そして狂おしいまでに切なく描き、あらたな“倫理”を世に問う、芥川賞作家・花村万月の超大巨編、ここに登場。
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読者の声
ヤクザの近寄りたくない世界でありますが深い闇を重厚に切なく描かれていました。(48歳 女性 主婦・主夫)
「重金属青年団」1票
ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。二人を乗せたフェアレディZ改は、深夜の中央高速を疾走った…。
H・M・C。レコードすらかけられない元ライブ・ハウス。ここには、毎夜社会不適合の若者たちが集う。辿り着いた二人は、彼らとともにH・M・Cを後にした。北へ―。
刺激を求め、快楽を貪るために。音楽と単車。薬と暴力。救いのない魂の行方を描く感動の青春ロード・ノヴェル。
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読者の声
花村作品にはお決まりの、生々しい暴力表現は多いのですが、その書き方の鮮烈さに花村作品が初めてだった私はとにかく長くストーリーが忘れられませんでした。ただ暴力的なだけじゃない、登場人物の心の繊細さもあわせ持った作品です。誰にでもオススメというわけではないけど、濃厚な時間を味わえます。(32歳 女性 主婦・主夫)
「紫苑」1票
天涯孤独の美少女、紫苑は修道院で育てられた。彼女が神の名のもとに修得したものは殺人の技術だった。
神父の命に従い政府要人を密殺する紫苑。しかし彼女は常に狙われていた。心を許していたマンションの管理人も実は彼女を狙う暗殺者だった。不安と絶望の中、カメラマンの伊東と出逢い、惹かれていく。
伊東と結ばれたことで、組織と自分への疑念はさらに膨らむが…狂気に満ちた愛を描く長篇ブルース。
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読者の声
鮮烈な描写の中にも、濃艶な色気と官能がヒシヒシと伝わってきます。(39歳 女性 無職)
「なで肩の狐」1票
元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。二億円ほどの札束。組に黙って稼いだのだ。そいつは、とんでもない厄ネタだった。
一週間後、さっそく凶刃に襲われる。幼なじみの女とその娘、舎弟の元力士を引き連れ、木常は、北辺の地を目指した。徳光の最後の願いを叶えるため。穢れなき雪原の中、壮絶な闘いの幕が上がる。
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読者の声
引退した殺し屋が否応なく闇の世界に引き戻されていく展開がスリリングでした。(49歳 男性 パート・アルバイト)
「いまのはなんだ? 地獄かな」1票
家庭には無縁と思い込んでいた小説家の愛葉條司の考えは、娘・愛の誕生で一変する。妻の志帆と共に成長を愛しく見守る日々の中、己を必要とする存在があることを知ったのだ。
だが、愛が間もなく三歳になるころ、異変は突如降りかかる。その引き金は志帆の抱える深い闇だった…。親と子、妻と夫、男と女。流れていく生の中で逃れえぬ関係を鮮烈に描く衝撃の長編。
「BOOK」データベース
読者の声
ほのぼの育児ものかと思いきや、とんでもない結末が待ち構えています。胸糞展開なので人を選ぶかも……。(45歳 男性 パート・アルバイト)
まとめ
いかがでしたでしょうか。花村 萬月のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。