藤沢周平おすすめ小説ランキング13選【読書好き38人の声を集めました】

藤沢周平は江戸時代を舞台にし、市井の人々を描いた時代小説を多数残した作家です。

様々な人間が日々行き交う橋の上ので出会いであったり、武士の生活や活躍する様であったりが描かれた時代小説。

そのなかからおすすめの1冊について読者にアンケートをとり、選んでもらいました。結果をランキング形式で紹介します。

1位「蝉しぐれ」13票

海坂藩普請組牧家の跡取り・文四郎、15歳の初夏から物語は始まる。隣家のふくとの淡い恋、小和田逸平・島崎与之助らとの友情、突然一家を襲う悲運と忍苦――。

苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描き、数多くある藤沢作品のなかで不動の人気ナンバー1を誇る「蟬しぐれ」が、文字の大きくなった新装版で登場。時代を越えて読み継がれる、藤沢文学の金字塔。

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読者の声

互いに慕いあった二人。あの時、家に居れば。あの時、追いかけていれば。すれ違いがせつなく、変わり果てた身の上での再会になすすべもなく、二人が乗った船のように時代に流されていく。切なすぎる二人の心模様がお勧めです。(48歳 男性 会社員)

風景描写が美しく、その場の景色や雰囲気がよく伝わってくるところがおすすめです。(31歳 女性 主婦・主夫)

江戸時代の城下町を舞台にして、一人の藩士の苦難と波乱に満ちた生涯を詩情豊かに描く時代小説の名作。(56歳 男性 無職)

幼馴染の男女二人のキャラクターが、運命に翻弄されて大人へと成長していく過程をドラマティックに描いた点がとてもよかった。(31歳 男性 会社員)

少年が青年に成長する過程で、昔の日本人の持つ美徳が美しき日本の自然と共に書かれていておすすめです。(41歳 女性 主婦・主夫)

主人公・文四郎が幾多の苦境を刎頚の友二人に助けられながら成長していく姿を、抒情溢れる文体で描いた著者の代表作の一つです。(59歳 男性 自営業)

幼少期の清々しい明るさから、大人になる過程で背負っていくものの重さ。牧文四郎の誠実な生き方に、胸が締め付けられるような思いです。魅力的な登場人物が多く、読み始めると止まらない名作。(38歳 女性 自営業)

ドラマに感動して原作本を読みました。淡い恋や友との友情。そして一番は主人公の成長が楽しめる作品だと思います。(45歳 女性 自営業)

子どもの頃に出会った少女が遠い人になる感覚が凄く魅力的だった。少女とある思い出を共有しているストーリーが秀逸です。(31歳 女性 主婦・主夫)

友情や出世街道、派閥抗争、人間関係について考えさせられる内容でした。(50歳 女性 主婦・主夫)

氏の集大成。暗い内容の作品が多い中、さわやかでエンターテイメント性の高い作品となっています。(44歳 男性 会社員)

この作品しか藤沢周平の作品は知らないのですが、時代物のいるのもおすすめポイントです。作品ということもありあっという間に読み終えてしまいました。(19歳 女性 学生)

父親が藩の争いに巻き込まれ切腹させられた、牧文四郎と初恋の相手の幼馴染ふくを中心に、展開します。父の敵撃ち、出世したふくとの許されぬ密かな恋。仕事物語としても、切ない恋物語としてもオススメです。(49歳 女性 会社員)

2位「たそがれ清兵衛」8票

下城の太鼓が鳴ると、いち早く仕事を片づけて、いそいそと家路を急ぐ井口清兵衛。人呼んで“たそがれ清兵衛”が、かつて師をもしのぐと言われた剣の遣い手だったことを記憶している者はほとんどいない。

藩内を二派に分ける争いのなかでも、清兵衛は病弱の妻とふたり、ひっそりと生きようとするが…。表題作など連作8編収録。

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読者の声

貧しいながら武士としての誇りも忘れずに、家族を大事にする姿は読んでいるうちに涙がでてきます。好きな女性に対しての奥ゆかしいところや、男としてのプライドもよくわかり共感できます。(62歳 男性 会社員)

普段見栄えがしない人物がいざと言う時に颯爽とした活躍を見せてくれる。(31歳 男性 会社員)

普段の姿からは想像もできない力を発揮する主人公に魅力を感じます。(45歳 女性 自営業)

思い通りにいかないことの辛さを武士の生活を通して感じることができる作品です。(43歳 女性 主婦・主夫)

映画にもなった作品です。読んでから映画を見るという楽しみができます。(38歳 女性 主婦・主夫)

「夕暮れになると元気になる」と揶揄する意味で「たそがれ清兵衛」と呼ばれている侍が、藩の危機に活躍する剣の名人であるところが爽快です。(33歳 男性 自営業)

普段は陰口を叩かれる武士の活躍する様が巧みに描かれています。当時珍しい家庭第一(病気の妻の世話が第一)の優しさ溢れる描き方も好きです。(37歳 女性 パート・アルバイト)

剣1つで身を立てる武士の迫力ある話が色々と収録されており、同名の映画の原作でもあります。(47歳 男性 自営業)

3位「橋ものがたり」5票

様々な人間が日毎行き交う江戸の橋を舞台に演じられる、出会いと別れ。男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描く傑作時代小説。

目次
約束
小ぬか雨
思い違い
赤い夕日
小さな橋で
氷雨降る
殺すな
まぼろしの橋
吹く風は秋
川霧

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読者の声

気軽に読める人情もので、ほろりとさせられます。特におすすめなのが、「暁の光」という作品です。(49歳 男性 自営業)

江戸に住む庶民の話しを短い文章で叙情豊かに表現できるのは、藤沢周平ならではだと思います。(45歳 女性 パート・アルバイト)

江戸の町にある何気ない橋。その上を通り過ぎる人達の人情あふれる話や、悲恋の物語などが集まった一冊です。すごい武士も切り合いもないけれど、中忍たちの生活や江戸の風情いっぱいの、じんとくる話ばかりです。(58歳 男性 主婦・主夫)

藩士や剣士・剣術の物語が多い作者ですが、こちらは江戸町人の橋にまつわる物語です。この作者の心理描写、風景描写特に食事の描写はとても分かりやすく、物語の中に入り込める作風なので、時代物作品の中でも特にお勧めできます。(34歳 女性 会社員)

橋を行きかう人達の出逢いや別れなどが描かれてます。短編小説ですが、どれも心に入ってきてキュンとします。(49歳 女性 会社員)

4位「闇の歯車」2票

川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。白髪の隠居と商家の若旦那。ここに4人を“押し込み強盗”に誘う謎の男があらわれた。そして、それぞれに関わる女達。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む、闇の歯車が回る。

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読者の声

江戸の時代でも現代でも人間の欲望や苦しみは変わらないといった内容の作品で、当時の時代に思いを馳せながら読むことができました。(46歳 男性 会社員)

登場する様々な職種の人がある事件となる濃いストーリーです。(42歳 女性 無職)

4位「回天の門」2票

変節漢・山師・策士とひとは呼ぶ。清河八郎は今なお悪評と誤解のなかにある。八郎は仕官の途さえ望まぬ、一個の“草莽の士”であった。さらにその時代は、倒幕の機いまだ熟さず、彼は早すぎた志士として生きねばならなかった。

郷里出奔から、麻布一ノ橋で凶刃に倒れるまで、この悲劇の孤士の生涯を余すところなく辿る力作一千枚。

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読者の声

歴史系の小説で明治時代を鮮明に描いている点がオススメです。清河八郎という本当の存在を知るためには必須の内容です。(29歳 男性 無職)

清川八郎の実像を歴史小説を通して描く、名作。明治時代の様子が現実味を帯びてのめり込める。(25歳 男性 学生)

5位「暗殺の年輪」1票

海坂藩士・葛西馨之介は周囲が向ける愍笑の眼をある時期から感じていた。18年前の父の横死と関係があるらしい。

久しぶりに同門の貝沼金吾に誘われ屋敷へ行くと、待っていた藩重役から、中老暗殺を引き受けろと言われる―武士の非情な掟の世界を、端正な文体と緻密な構成で描いた直木賞受賞作と他4篇。

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読者の声

江戸時代に生きた人々の物語を集めた短編集。風景・時代の模写が多彩であり、読んでいて飽きさせません。(52歳 男性 会社員)

5位「花のあと」1票

娘ざかりを剣の道に生きたある武家の娘。色白で細面、けして醜女ではないのだが父に似て口がいささか大きすぎる。そんな以登女にもほのかに想いをよせる男がいた。部屋住みながら道場随一の遣い手江口孫四郎である。老女の昔語りとして端正にえがかれる異色の表題武家物語のほか、この作家円熟期の秀作7篇。

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読者の声

最初は慣れない言葉が多くて読むのに苦労しましたが、とても美しい書き方で好きな作品です。(31歳 男性 パート・アルバイト)

5位「海鳴り」1票

はじめて白髪を見つけたのは、いくつの時だったろう。四十の坂を越え、老いを意識し始めた紙商・小野屋新兵衛は、漠然とした焦りから逃れるように身を粉にして働き、商いを広げていく。

だが妻とは心通じず、跡取り息子は放蕩、家は闇のように冷えていた。やがて薄幸の人妻おこうに、果たせぬ想いを寄せていく。世話物の名品。

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読者の声

他の藤沢作品と違い、熟した男と女の関係が主軸です。許されざる二人が悲しくも美しい物語です。(52歳 女性 主婦・主夫)

5位「時雨のあと」1票

身体を悪くして以来、すさんだ日々を過す鳶の安蔵。妹みゆきは、兄の立ち直りを心の支えに、苦界に身を沈めた。客のあい間に小銭をつかみ兄に会うみゆき。ふたりの背に、冷たい時雨が降りそそぐ…。

表題作のほか、『雪明かり』『闇の顔』『意気地なし』『鱗雲』等、不遇な町人や下級武士を主人公に、江戸の市井に咲く小哀話を、繊麗に、人情味豊かに描く傑作短編全7話を収録。

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読者の声

江戸時代の庶民や下級武士の人々が織りなす繊麗に、人情豊かに描いて実に読みやすかった。(48歳 女性 主婦・主夫)

5位「雪明かり」1票

貧しくも、明日への夢を持って健気に生きる女。深い心の闇を抱えて世間の片隅にうずくまる博徒。武家社会の終焉を予想する武士の慨嘆。

立場、事情はさまざまでも、己の世界を懸命に生きる人々を、善人も、悪人も優しく見つめる著者の目が全編を貫き、巧みな構成と鮮やかな結末とあいまった魅惑の短編集。

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読者の声

日々の生活を懸命に生きる市井の人々に向けられた著者の優しさが、其処彼処に見られる珠玉の短篇集です。(50歳 女性 自営業)

5位「秘太刀 馬の骨」1票

北国の某藩で、筆頭家老が暗殺された。暗殺につかわれたのは、幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま、それから6年。闇にうもれた秘太刀の探索を下命された半十郎と、その上司の甥で江戸からやってきた銀次郎は、ソリが合わぬまま、藩内の剣客ひとりひとりと立ち合うことになる。

「馬の骨」を伝授された者はだれか?一体どのような剣なのか?やがて秘剣のうらに熾烈な政治の暗闘がみえてきて……。

“下手人さがし”というミステリーの味わいも深い、藤沢時代小説の傑作。

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読者の声

無茶ぶりに対する主人公達の苦悩と、最後に来る解釈自在などんでん返しが秀逸な小説です。(44歳 女性 会社員)

5位「夜消える」1票

酒びたりの父親が嫁入りの邪魔になると娘に泣きつかれた母親、岡場所に身を沈めた幼馴染と再会した商家の主人、五年ぶりにめぐりあった別れた夫婦、夜逃げした家族に置き去りにされた寝たきりの老婆…。

市井に生きる男女の哀歓と人情の機微を鏤骨の文章で綴る珠玉の短編集。

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読者の声

心の底でお互いの幸せを願いながらも、現実は切ない結果となります。酒浸りの兼七を支えるおのぶの優しさと、話の中でほとんど言葉を発せずに、娘のため失踪する兼七。元は腕の良い職人タイプの人柄が変わってしまい、もう元には戻らないと思われていたのに、実は兼七の中にまだ本来の人格が残っていた事が推し測られます。(50歳 女性 無職)

5位「孤剣―用心棒日月抄」1票

お家転覆の証拠書類を握って恐るべき剣鬼が国許から姿を消した。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。青江又八郎は密命を帯びて再度脱藩、江戸へ。息づまる三つ巴の死闘。密かに寄添う忍びの女。

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読者の声

表向きは「脱藩」しながら裏では「密命」を帯びて行動する浪人の活躍が痛快でした。(48歳 男性 パート・アルバイト)

まとめ

いかがでしたでしょうか。藤沢周平のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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