津島 佑子おすすめ小説12選【読書好き38人の声を集めました】

津島 佑子は1947年、太宰治と津島美知子の次女として生まれた作家です。泉鏡花文学賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞などなど多数の文学賞を受賞しています。

今回は、読書好き34人におすすめ小説を1冊選んでもらい、その感想をまとめた結果を紹介します。

「火の山 山猿記」14票

火の山を仰ぎ見つつ、光につつまれ野を駆けた日々。20XX年、パリで見つかった日本語のノートには、いったい何が託されていたのか。維新の前夜から新しい世紀まで、夢と記憶が交錯する、傑作長篇小説。

「BOOK」データベース

読者の声

色々と考えさせられますし、改めて家族を考えたりできとても共感出来た作品です。(38歳 男性 会社員)

言わずと知れた朝ドラ「純情きらり」の原作。母方、石原家がモデルと言われています。美智子さんがなぜ太宰治と結婚したのか?疑問に思っていたので楽しく読めました。(53歳 女性 公務員)

富士山に寄り添い激動の時代を過ごした有森家5代の歴史を、一族の書簡や日記を織り交ぜる形で構成している難解な作品(39歳 男性 会社員)

火の山=富士山に寄り添いながら生きてきてた有森家五代の生き様を綴る重厚な物語(56歳 男性 無職)

人の人生の壮絶さが伝わってくる物語でした。悔いのない人生を送りたいと考えさせられました。(31歳 女性 パート・アルバイト)

独特な津島佑子ワールドに、一気に引き込まれます。人物描写はもちろんのこと、情景描写にも感銘を受けるため、おすすめいたします。(40歳 女性 会社員)

太宰治の子供というともう一人太田治子が出てくるが父太宰ではなく母方の実家が出てくるのは興味ありといえるのでは。一読の価値あり。(68歳 男性 無職)

誕生と死をみつめ、愛と結婚とは何かを問う。富士山寄り添った地質学者戦中・戦後に生きた有森家の姿を描きテレビドラマ化もされています。(60歳 男性 自営業)

富士山に寄り添いながら戦前、戦後の時代を通したひとつの家族の出会い、別れもとても興味深く読めた。(48歳 女性 主婦・主夫)

富士山に寄り添った家族を5代にわたり描いたスケールの大きさに感動しました。(45歳 女性 主婦・主夫)

生きているかどうかわからない状態で7年間達彦さんを待ち、再開できる点。(19歳 女性 学生)

自分の家族のルーツを探るうちに家族とは何かを考えさせられます。(45歳 男性 会社員)

富士山の壮大な自然と時代に翻弄された有森一族の物語の描き方が感動的である。(44歳 男性 会社員)

様々な事情を抱えながら、誕生と死を繰り返して家が続き、住む場所や言葉が変わっても結びつきが消えない有森家を通して、改めて家族とは何かを考えさせられます。(36歳 女性 団体職員)

「笑いオオカミ」4票


笑いオオカミ (津島佑子コレクション)

父と墓地に暮らす少年は、ある夜、男女の心中を目撃した。数年後、少年は死んだ男の娘を連れて列車の旅に出る。二人の眼に映る、敗戦下の日本とは。生を奪われた無数の子どもたちに想いを馳せ描く冒険譚。

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読者の声

内容は辛いの一言だが、力強い作品で没頭できます。考える余地が残される作品なので、自己解釈ができるところも好きです。(29歳 女性 会社員)

津島佑子から見た目線での物語のストーリーがすごいなとと思った。(26歳 女性 パート・アルバイト)

親を知らない少年がオオカミだったのかを考えさせる場面が生命の原点を考えているようで面白かったです。(53歳 女性 団体職員)

津島裕子自身の投影がなされているのが目に見えるのと、人の感情の機微を描くのが本当に上手いと感じるから。(36歳 女性 無職)

「ナラ・レポート」4票


ナラ・レポート (津島佑子コレクション)

母さん、あの大仏をこわしてよ!母を失くした居場所なき少年は、この世の権威を憎んでいた。その象徴をこわしたとき、男たちがつくり上げた正史の余白から、いかなる物語が流れ出るのか。時空を超え、生死の境に降り立つ未踏の日本文学。

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読者の声

文章から、細かいところまで奈良の情景がはっきりと浮かび上がってくる。(20歳 女性 無職)

奈良の大仏を用いたSF的な内容に不思議と取り込まれていくところがおすすめです。(23歳 男性 会社員)

奈良を舞台に母と息子が輪廻転生を繰り返すというのが面白い。また葛藤の描写もあって良かった。(46歳 女性 主婦・主夫)

本屋さんに行った時にまず表紙のイラストに惹かれました。命の強さ、大切さを改めて感じる事ができました。生々しい表現のところもありますが、読んで損はないです。(22歳 女性 主婦・主夫)

「寵児」3票

ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。

自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を“想像妊娠”を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞。

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読者の声

主人公の波乱万丈な人生に目が離せません。ハラハラドキドキしながらも、あっという間に引き込まれます。(39歳 女性 主婦・主夫)

孤独な主人公に感情移入しつつ、想像妊娠というテーマに戸惑いました。心境が変わっていく様子が上手に描かれていました。(28歳 女性 会社員)

妊娠を確信した1児の母でもあるピアノ教師の女教師の物語です。(25歳 男性 会社員)

「狩りの時代」3票

ダウン症だった兄との思い出。ヒトラー・ユーゲントの来日。老核物理学者の見果てぬ夢…。この国の未来を照射する物語。絶筆長編小説。

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読者の声

生活内の色々な差別について述べた本を初めて読んだので衝撃的だった。(40歳 女性 主婦・主夫)

最大の読みどころは、筆者の絶筆の作品であるという点にあります。小説家になることを運命づけられた筆者が最後に選んだのはナチス・ドイツ、優生学、そして弱者への痛み。深く壮大な物語。(34歳 男性 学生)

「フテキカクシャ」という言葉がキーワードの差別についての物語で、作者の感情が伝わるような生々しさがおすすめポイントです。(33歳 男性 会社員)

「ヤマネコ・ドーム」3票

アメリカ兵と日本人女性との間に生まれたミッチとカズは、ママに引き取られて暮らすことに。まわりには同じような境遇で施設に暮らす子どもたちや、ママのいとこの子であるヨン子がいた。

ある日、オレンジ色のスカートをはいたミキちゃんが池で溺死する事件が起こる。ミッチたちはター坊という少年がミキちゃんを池に突き落としたのではと疑っていた。

彼らは成長し、それぞれの人生を歩み始めるが、数年に一度、オレンジ色の衣服を身につけた若い女性が殺害される事件が起こり、彼らは過去の記憶に苛まれるのだった…。3.11後のこれからを示唆する渾身の問題小説。

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読者の声

原発事故や戦争などを通して、人間の業と本当の幸せを教えてくれるような作品になっています。(20歳 女性 学生)

目に見えない恐怖に慄然とする小説です。混血孤児たちをメインに、人間のカルマや幸福を問う作品です。(65歳 男性 無職)

どう足掻いても変わらない運命の存在が深くておもしろいと思いました。(23歳 男性 パート・アルバイト)

「黄金の夢の歌」2票

不思議な男の子の声に導かれ、中央アジアの草原をさまよう「あなた」。歴史の奥に秘められた、人間を励ます叙事詩の意味を探る最新長篇。

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読者の声

いわゆる観光物語のような海外での世界観を展開させているためにやや非日常な気分が味わえるフランクなテイストになっている爽やかな作風に感じられました。(35歳 男性 会社員)

歴史好き!アイヌ大好き!!日本政府なんて大嫌い!というはっきりとした思想をもって、旅行記の中で、その人々の描き方が上手です。(42歳 男性 会社員)

「悲しみについて」1票

1985年の春、その人は息子を失った。そして絶望の果てに、夢と記憶のあわいから、この「連作」を紡ぎはじめた。彼女は何を信じ、何に抗いつづけているのか。聞き届けられるべき、不滅の物語。

「BOOK」データベース

読者の声

なくなった息子の死を受け止められないけれども、いないことに納得をしたようにして生活していく筆者の悲しみ苦しみ。(44歳 女性 会社員)

「謝肉祭」1票

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読者の声

処女作品集ですが、すでにこの作家の独特の感性が遺憾なく発揮されています。祭という華やかな世界と内面の暗さ、そのコントラストが見事。(52歳 男性 団体職員)

「山と走る女」1票

二一歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら一人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋―。

保育園の育児日誌を随所に挿入する日常に即したリアリズムと、山を疾走する太古の女を幻視する奔放な詩的イメージが谺し合う中に、野性的で自由な女性像が呈示される著者の初期野心作。

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読者の声

両親からも望まれない片想いの相手との間に身ごもってしまった子を産み慈しむ女が主人公の小説。(27歳 女性 主婦・主夫)

「光の領分」1票

夫との別居に始まり、離婚に至る若い女と稚い娘の一年間。寄りつかない夫、男との性の夢、娘の不調、出会い頭の情事。夫のいない若い女親のゆれ動き、融け出すような不安を、“短篇連作”という新しい創作上の方法を精妙に駆使し、第一回野間文芸新人賞を受賞した津島佑子の初期代表作。

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読者の声

何処にでも有りそうで何処にでも居そうなごく普通の女性の苦労話とも取れるが離婚後一年間頑張る様子にある触れているだけに現実味と真実味があります。(57歳 女性 無職)

「ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語」1票

日本でキリスト教徒の迫害が進む17世紀。アイヌと和人の子チカップは、兄と慕うジュリアンと共に、命懸けの航海の末マカウの地に辿り着く。

母に聴かされたアイヌの歌を拠り所に生きるチカップは、キリスト教の信仰に惹かれつつも、故郷のえぞ地への思いを持ち続けていた。マカウも安住の地とはなり得ず、少女は再び航海に身をゆだねる。物語や言葉が多重な層を織りなす、著者最後の長編小説。

「BOOK」データベース

読者の声

キリシタンと船旅に出るアイヌの血を引く孤児の少女の航海中に出会う様々な出来事を描いた物語です。運命の不思議と人間愛がテーマです。(58歳 女性 会社員)

まとめ

いかがでしたでしょうか。津島 佑子のおすすめ小説を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。

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