「サロメ」オスカー・ワイルドの戯曲【あらすじ・感想】

「サロメ」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「サロメ」を読んだきっかけ

演劇をやっているので、古典と呼ばれるものを勉強する為に詠もうと思いました。昔、長嶺ヤス子と言うフラメンコダンサーが、フラメンコで「サロメ」を踊り、長嶺サンのファンだったので、シェークスピアよりも先に読んだのです。

どんな小説?

聖書から題材を取り、イエスキリストと思える様な弟子を持つ予言者ヨカナーンと、ヨカナーンに恋をし乍らも父王エロドから恋慕の想いを抱かれている王女サロメとの恋と嫉妬、そして想いが叶わない事で、永遠に独占しようとする情熱的な女心を怪奇な幻想の中で描いた、世紀末文学の最高傑作と呼ばれています。

あらすじ

宴の月夜に美しき王女サロメはユダヤの王エロドの視線に耐えきれず、うんざりして宴会場を抜け出し庭で頭を冷やしていた。

そんな所へ宮殿の牢屋に幽閉されている予言者ヨカナーンの叫び越えに気付くのだった。何やら自分の母親エロディアスに対して不埒な事を言っている様で、気になったサロメは予言者がどんな男かを居合わせた兵士に尋ねるのだった。兵士はヨカナーンを若い男だと教え、彼の声に興味を持ったサロメは、禁を破ってでもヨカナーンに逢いたいと言い出し、若きシリア人をたらし込んで、ヨカナーンと出逢うのだった。

ヨカナーンに一目惚れしたサロメは、ヨカナーンを誘惑するが、ヨカナーンはサロメの言葉に耳を貸さずにそれでもヨカナーンに口づけを迫るサロメの姿を見て、二人を引き合わせたシリアの兵士は自殺してしまう。そんな所にサロメを探して宴会場から出て来たエロドとエロディアスは、サロメを見つけ、宴会場へ連れ戻そうとするが、サロメは帰ろうとはしなかった。

女王エロディアスの目の前で、エロドはサロメに恋慕の情を隠す事無く表現し続けるのだった。ヨカナーンの不気味な声が再び響いて、兵士達は別のメシアの到来似ついて話し出す。そのメシアは水を酒に変えたり、死者を蘇らせたりしていると王に告げるのだった。

ヨカナーンはエロディアスを淫婦呼ばわりして、エロディアスの怒りを買っていた。エロドはサロメに踊ってくれと頼むがサロメは断り続け、「何でも欲しい者をやる」と言う言葉で、踊る事を決意する。

どうしてもヨカナーンを自分だけのものにしたいサロメは、父王エロドに7つのベールの踊りを見せる事と引き換えにヨカナーンの生首を所望する。父王ヘロデはヨカナーンの首を落とす事を反対するが女王ヘロデアの押しに屈して、ヨカナーンの首をサロメに差し出しすが、最後にはサロメも押し殺してしまうのだった。

読んだ感想

とても退廃的で、サロメと言う女性の激情が伝わり、実際にはどんな踊りだったのかを想像する事は楽しくも有り、見てみたいと言う感情にも駆られる作りになっていました。

予言者として、ヨカナーンははじめから最後迄、自分のスタンスを崩す事無く、自分の未来をも予言出来ながら、高潔に殺されてしまうと言うサロメとのコントラストがとても印象的に感じられる作りです。

また、エロドとエロディアスの二人も嘔吐女王では有ってもとても光輝と言う感じでは無く、極めて暴力的で、性的な面を少しも隠そうとしない、作者の意図が良く判る様な作りになって居ると感じました。何処迄も人間を見にくく表現する事で、サロメの純粋且つ激しい来いが際立つ様に上手に作られた作品だと感じました。

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