「ガイコツ書店員 本田さん」がどのような作品なのか、読者によるマンガのあらすじと感想です。
近年、バイトや職場のあるある体験記をマンガに描いている方が増えてきました。ガイコツ書店員 本田さんも、そんな作品の中の一つです。
ガイコツが書店員??と驚かれた方もいらっしゃるかと思いますが、ファンタジーな世界のお話ではありません。ガイコツはあくまで作者様のアバターです。
ガイコツである必要ないじゃん!と考えた方、実はこのガイコツが良い味を出しているんです。イケメンなお客様に驚愕して震えるガイコツ、営業スマイルを浮かべて接客するガイコツ、難易度の高い発注を受けて苦悩するガイコツ、どれも一つとして同じ表情はありません。太めのペンタッチで描かれたガイコツが醸し出す独特の世界を堪能できるでしょう。
基本は「書店員さんのあるある体験記」ですので、ストーリーは日常の風景が主です。(最終巻では他国の書店の取材や、電子書籍業界の話題などもあります)
ですが読んでみるとびっくり、書店員さんの日常は一般人にとって「非日常」です。日々足繁く書店に通う私も「こんなお客さん、存在するんだ…」と愕然としました。良い意味で、です。
そろいも揃った個性的なお客様は、当然個性的な注文ばかりです。その注文をある日は自力で乗り越え、ある日は同じ書店の店員さんと知恵を出し合いながら解決していきます。・・・時には解決できないこともあります。
でもそのやりとりがとても楽しいのです。読めば貴方も書店でバイトしたくなる、このマンガにはそんな空気があります。
また巻末には、書き下ろしマンガもついています。本編では描かれなかった、ちょっと重たい話が掲載されています。
色んな方が訪れる書店ですから、仕事をしていれば嫌なことの一つや二つ起きるものです。そんなときの心の支えになってくれるのは一体何か、また落ち込んで立ち止まってしまった時に背中を押してくれた人の言葉は何だったか、そんなちょっと良いエピソードも入っています。
私は2巻の巻末マンガで、本田さんの上司(係長さん)が本田さんの将来を考え応援してくれたエピソードがお気に入りです。ネタバレなので詳しくは書けませんが、人事を担当する方でこんな考え方が出来る人はなかなか居ないのではないかと思います。
現在作者様は書店を退職し漫画家として活動されていますが、その背中を押したのはこの係長さんだったと思います。今将来について悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
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