「リカ」がどのような作品なのか、読者による小説のあらすじと感想です。
「リカ」を読んだきっかけ
友人の紹介でこの本を読みました。その友達が「とにかく怖い」「夜に寝られなくなった」などの押し文句で私にこの本をおすすめしてきて、内心大げさではないのか、などと思いつつも、怖いもの見たさで気になってしまったため、実際に本を購入し読み始めました。
「リカ」はどんな小説?
「リカ」は日本にスマートフォンが普及する以前の時代が舞台の小説です。
ガラケーのメール機能や、当時普及していた出会い系の掲示板の使用から、主人公が最悪の「出会い」に巻き込まれる、サイコホラー系小説です。身近に起こりうる恐怖や、リアリティ溢れる怖さが存分に発揮された作品となっています。
「リカ」のあらすじ・ストーリー
主人公はどこにでもいるような、妻子にも恵まれた普通のサラリーマン・本間。しかし、本間はほんの遊び心で、出会い系掲示板にアクセスしてしまいます。そこで本間は、「リカ」という一人の女性と出会います。
平凡な日常の中で、久々に感じた刺激に本間は興奮を覚え、「リカ」とメールや電話で交流を取り合うようになりました。
しかし、連絡を重ねる中で「リカ」の様子が徐々に変貌していくのです。本間に対して、過剰な愛を求め、依存を求めてくる「リカ」。
本間はそんな「リカ」に恐怖を覚え、関係を絶つ決意をします。
しかし、その時にはもう手遅れ。
「リカ」は本間を徹底的にマークし、ストーキングや脅迫など、手段を選ばず、本間と接触しようとします。鳴りやまない電話、「リカ」の髪の毛で覆われた自宅のドア、そして愛する娘の誘拐・・・。
主人公・本間のほんの出来心から、かつての普通で平穏な日常は失われてしまい、彼の家庭・仕事・人間関係が崩壊します。全てはあの悪魔、「リカ」によって奪われてしまったのです。
本間は、そんな悪夢に終止符を打つため、これまで忌避してきた「リカ」に恐怖を感じながらも、接触することを決意します。「リカ」を満足させられれば、「リカ」を説得できれば、あるいは「リカ」を打ち倒し警察に突き出すことが出来れば・・・。
そんな淡い期待を抱きながら、連絡を取り「リカ」と接触した本間に待ち受けていたのは、現実とは思いたくないほどの、目を覆いたくなるほどの、残虐で、凄惨な結末だったのです。
「リカ」を読んだ感想
「リカ」は全く救いのない、残酷な作品でした。怖すぎましたね。悪魔「リカ」が徐々に近づいてきて、自分の家庭や仕事、人間関係の全てを奪い、そして、最後に自分自身を待ち受けるむごい結末には、目も当てられませんでした。
この作品の怖さを増強させているのは、やはりその「リアルさ」でした。主人公も普通のサラリーマンですし、出会い系サイトからトラブルに発展する、というのも、自分の身の回りで現実的に起こりうるシチュエーションです。
「もしも自分の周囲でこんなことが起こったら」と想像するだけで、身の毛がよだちました。
また、作中の言い回しや、ワードチョイスも絶妙で、「リカ」の不気味さや、本間の恐怖や恐れの感情が手に取るようにわかるんです。そういった様々な要素によって、怖さが増幅され、心拍数の高まりと共に、展開がとにかく気になりました。途中からはページを捲る手が止まらず、「リカ」の世界に没入してしまいましたね。
非常に怖くて、圧倒されるほど残酷な作品ですが、作品に引き込まれる力というのも抜群で、一気に読んでしまうほどの、新感覚の作品でした。
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