「新宿鮫」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
「新宿鮫」を読んだきっかけ
真田広之さんの主演で映画化されて新宿鮫の存在を知りました。その後、新宿鮫の4作目が直木賞を受賞したことを知って、さらに糸井重里さんがテレビで新宿鮫を絶賛するような話をしていたので、読んでみようと思いました。
どんな小説?
新宿周辺で活躍する刑事の小説となります。新宿鮫と呼ばれて暴力団などから恐れられている鮫島が主人公となっています。
新宿は歌舞伎町をはじめとしてカオスな繁華街となっていますが、そのような新宿の街の特徴を上手く表現しています。鮫島は多くの難事件に立ち向かいます。
あらすじ
新宿の歌舞伎町近辺では、鮫島という刑事が有名になっていました。彼は犯罪者に鮫のように食らいついてきて離れないので新宿鮫と呼ばれていました。
そんな新宿で警官が射殺される事件が連続で起こります。鮫島は単独で行動して連続射殺事件の犯人を探します。鮫島は暴力団の車を警棒で破壊したり、ゲイが集まる深夜のサウナに1人で潜入して、事件の証拠を掴んだりと大胆な行動をします。
鮫島には晶というロックバンドの女性ボーカリストの恋人がいて、仕事が終わると、彼女と元炭坑夫でゲイのママが経営する小さいバーで、酒を飲むのがささやかな楽しみでした。
鮫島が、単独捜査をする理由や晶との出会いのエピソードが出てきて、新宿鮫が誕生する経緯が明らかになります。元エリート警官だった鮫島は、警察内部の暗闘に巻き込まれました。そして新宿署へ移転となり、鮫島は仲間と群れずに1人孤独な単独捜査をするようになったのです。
連続射殺事件を捜査する鮫島は、事件に改造した銃が使われたことを知ります。そこで、改造銃で有名な木津という男が容疑者として浮かんできます。
以前、真壁という暴力団の男が、木津の改造銃を使って大きな事件を起こしたことがあったので、今回の事件は木津が絡んでいると鮫島は確信します。
さらに捜査を進める鮫島は、木津が潜んでいる隠れ家を見つけます。木津は隠れ家で密輸した銃を改造する作業をしているようです。鮫島は木津の隠れ家に単独で潜入しようと試みます。
しかし、木津は鮫島のその行動に気づいていており、鮫島は逆に襲われて隠れ家に監禁されます。鮫島には、口数が少なく見た目は有能に見えない桃井という上司がいましたが、実は桃井は単独捜査をする鮫島を心配していました。桃井は鮫島のピンチにある行動をします。
読んだ感想
長く続く人気シリーズである新宿鮫の1作目となります。読んでいると文章のテンポがとても良いです。テンポの良さと話の緊迫感から、私は新宿鮫の魅力的な世界に引き込まれました。
作者の大沢在昌さんは、当時なかなかヒット作に恵まれなかったのですが、新宿鮫のアイデアを考えたらとてもノリノリで執筆できたそうです。
その感じが読んでいる私にしっかり伝わってきました。ストーリーはかなり怒濤の展開になっており、あっという間に最後まで読むことができます。シンプルに面白いと思える小説です。
舞台が新宿なのもいいです。個人的に新宿で働いたり遊ぶことが多かったので、新宿鮫の世界に親近感があります。文章のテンポの良さは、続編でも発揮されて今でも楽しませてくれるシリーズとなりました。
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