読書好きへのアンケート結果をもとに、多数の作品のなかから丸山 健二おすすめの作品を人気の高い順に紹介します。
1位「夏の流れ」8票
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常を対比させ、死刑執行日に到るまでの担当刑務官、死刑囚の心の動きを緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る芥川賞受賞作「夏の流れ」、稲妻に染まるイヌワシを幻想的に描いた「稲妻の鳥」、ほかに「その日は船で」「雁風呂」「血と水の匂い」「夜は真夜中」「チャボと湖」など初期の代表作七篇を収録。
「BOOK」データベース
読者の声
私が生まれる前の作品だが、死刑囚の心の動きを描いており、学生時代に読んだので罪と罰の重さを感じることになった。(47歳 男性 会社員)
死刑囚留置場の刑務官の話で刑務官をとりまく生と死をものすごい描写力のある文章で描かれている。(48歳 女性 主婦・主夫)
この作品を読んでいると今にも看守の息遣いが聞こえてきそうなリアリティを感じさせられる点が良いです。(44歳 男性 会社員)
刑務所内での、主人公の刑務官と死刑囚との物語。互いの心の移り変わっていく様が、読みどころです。(52歳 男性 会社員)
当時の最年少芥川賞受賞作という点がオススメです。現在の若い作家と比べて読むのも面白いですよ。(32歳 女性 自営業)
刑務所で過ごす死刑囚とごく普通の刑務官の話。作家が当時私と同世代だったのに、こんな作品が出てくるのが尊敬します。(19歳 女性 学生)
死刑囚だけが収監されている刑務所の刑務官であるある男の日常を描いた作品。(50歳 女性 自営業)
今読んでも古さを感じさない作品です。 純文学が苦手な人でも読みやすい一冊だと思います。(18歳 男性 パート・アルバイト)
死刑囚の心理描写がしっかりしていてひきこまれた。文章も硬くて読み応えがある。(39歳 男性 無職)
「雨のドラゴン」4票
引きこもりの思考が空想として描かれていて、未知なるエネルギーを感じながら読める小説です。(46歳 男性 会社員)
団地に住む孤独な青年が双眼鏡で外を見ながら妄想をし続ける内容ですが、文体が詩のようなイメージで連想させてくれるので、意味にとらわれずに読み続けたほうがよいと思います。(62歳 男性 会社員)
妄想を止められない主人公ではあるものの、現実と空想の狭間が、ハッキリとしない点に、頼もしさを感じます。(28歳 男性 会社員)
妄想により展開する不可思議な世界が、とてつもない魅力になります。(45歳 女性 自営業)
「ときめきに死す」3票
白刃を血に染めよ!―栄光の一瞬を待つ若きテロリストの論理と心情を、緊迫したサスペンスのなかに描く「ときめきに死す」。
「BOOK」データベース
読者の声
「私」の目を通して描かれる、目的に向かって黙々と日々を過ごす若きテロリストの姿(56歳 男性 無職)
テロリストと思しき男とそれを取り巻く日常が淡々した中にも独特のテンポで描かれていて読み応えがありました。(49歳 男性 パート・アルバイト)
この作品は、主人公がある事を堺に事件に巻き込まれるスリリングなストーリーです。(42歳 女性 無職)
「田舎暮らしに殺されない法」3票
「夢の田舎暮らし」「エコでロハスなスローライフ」…団塊の世代だけでなく、いまや都会に暮らす30~50代の半数以上が憧れている「第二の人生」。だが、安易に移住を決めて本当にいいのか? 厳しい自然環境、共同体の閉鎖的な人間関係、やがて襲ってくる強烈な孤独…田舎暮らし歴40年の著者が、自身の体験と作家としての洞察から、その危険性と、現実のなかで喜びと感動とに巡りあうための方法を説く。
「BOOK」データベース
読者の声
田舎への移住を考えている人が一読して損がない、著者の実体験から書き上げられた本です。(59歳 男性 自営業)
地方の田舎出身者の自分には当たり前のような内容でしたが、昨今のリモートワーク云々で地方移住が言われているが、そういう人は必ず読んだ方がよい。(33歳 男性 会社員)
犯罪者撃退のくだりなど、多少の誇張もありますが、概ね間違っておらず、田舎に引っ越してくる方は事前に読んでおくべき1冊かと思いました。(40歳 女性 無職)
「惑星の泉」1票
焼け落ち、忘れ去られた片田舎、鯨町。死にゆく者は死に、湧きあがる泉の水に浄化され、全ては生に向かって歩み始める。戦後日本の原風景がここにある。
「BOOK」データベース
読者の声
架空の話しなのに淡々と書かれる文体は戦後を生きる人々を力強く表現しています。(45歳 女性 パート・アルバイト)
「千日の瑠璃」1票
「私は風だ」「私は闇だ」―。小説の視点は一ページごとに変わる。その千の視点によってつむぎ出される「まほろ町」と、少年・世一、そして一羽の鳥の千日の物語。いかなる微細なものも逃さぬ文体と重層的な描写は、まったく新しい小説の地平を切り開いた。
「BOOK」データベース
読者の声
主人公・世一を千の「私」の視点で綴る、壮大さ、尊さ。もう読んで20年前も経つのに「私は風だ」の一文に心をつかまれた瞬間を忘れられません。丸山健二さんの最高傑作だと思います。(44歳 女性 会社員)
「赤い眼」1票
身内の世話に疲れた娘は、山の貧乏暮らしを捨て、海辺の町で見知らぬ少年を弄ぶが…神話的な娘の、衝動的で強靱な「生」を綴る。作家による再構成をした新生版。
「BOOK」データベース
男性である著者が女性の視点から女性の内面の理不尽さを描き切った力作だと思います。(50歳 女性 自営業)
「人生なんてくそくらえ」1票
自分の人生を生きるのに、誰に遠慮が要るものか。人生は好き勝手に生きていいのだということを本当に理解しているのか。仕事、親、学歴、国家、宗教、恋愛、そして死について、真っ向から挑んだ孤高の人生論。
「やりきれない世」を生き抜く力を引き出す丸山流儀のすべて。
「BOOK」データベース
読者の声
人生は諦めたらいけないことを教えてくれる内容なので、働き盛りの私にとっては相応しい本でした。(45歳 男性 会社員)
「まだ見ぬ書き手へ」1票
文学を愛しその現状を憂える筆者が、真に自立した新しい書き手の出現を望んでおくる、力強い文学への手引き。
「BOOK」データベース
読者の声
小説家として生きていくための心構えや、文章を書くことの本質、創作の原理原則というものが、力強く書かれている。 読ませる文章を書く。というようなテクニックは書かれてはいないけれど、物書きとしての心構え、メンタルなどが彼なりの理論で力強く書かれている。(43歳 男性 会社員)
「ぶっぽうそうの夜」1票
定年間際で会社を去り、男は故郷に戻った。死に場所と定め、数十年ぶりに眺める山村。
そこではかつて、妹が惨殺され、世を儚んだ母が自殺を遂げていた。久々に訪れた実家には首を吊った弟の亡骸―。それでもなお、自身の最期にはふさわしい地のはずだった。
だが、ぶっぽうそうの鳴き声が響いた夜、仇敵は姿を現わした。女たちを狙う猟奇殺人犯を、男は餓鬼岳の頂上に追い詰める。
「BOOK」データベース
読者の声
家族との闇深い思い出がある田舎に再び戻った男の顛末を勢いのある文章で綴った小説。(43歳 女性 主婦・主夫)
まとめ
いかがでしたでしょうか。丸山 健二のおすすめ作品を紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。