「ウランバーナの森」ジョン・レノンをモデルにした人物が主人公の小説

「ウランバーナの森の感想」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。


出典:https://www.amazon.co.jp

「ウランバーナの森」を読んだきっかけ

面白い本があると人に勧められたのがきっかけです。タイトルを読んだだけだとシリアスな話のようなのに、本の裏の紹介文を読むとギャップがあるようで興味を惹かれました。

どんな小説?

「ウランバーナの森」は、1960年代から1970年にかけて活動していたロックバンド「ビートルズ」で、ボーカルやギターなどを担当していたジョン・レノンをモデルにした人物が主人公の小説です。日本人女性と結婚し、子どもが生まれたあとの空白期間に何があったのかを想像したフィクションです。

あらすじ

世界的に知られたロックバンドで活躍したジョンは、バンドの解散後は主に平和運動や執筆などをして過ごしていました。仕事の拠点はニューヨークにあり、毎年夏には軽井沢にある妻の実家の別荘を訪れます。

結婚してからのジョンは社交を避け、主夫として妻や息子と多くの時間を過ごし、人と会うと緊張するようになっている状態です。 そのようなジョンは、ある日、既に他界したはずの母親に似た人を見かけたことをきっかけに下腹部の違和感やパニック障害、悪夢に見舞われるようになります。

しかし腹痛で眠れずに医者にかかっても特に悪いところは見つかりません。ジョンが懇願すると医師は大腸の動きを止める注射をしてくれますが、それ以来ジョンは便秘になり、診療所はお盆休みに入ってしまいます。

10代の頃のガールフレンドの母親に対する態度や、人を殺してしまったかもしれないという過去の思い出が悪夢となってジョンを苦しめ、さらに便秘にも悩まされるジョンは下剤や浣腸で直そうとしますが、上手くいかず妻に紹介された心療内科に通うことに。すると毎回カウンセリングの帰り道には森で不思議な経験をします。

殺してしまったのではないかと思っていた船員や、10代の頃のガールフレンドの母親、かつてのマネージャーなどがジョンの前に現れ、謝ることでジョンは次第に癒されていきます。

しかしジョンは小説を書いている妻の原稿を見て医師と妻がグルで催眠をかけていたことを知り、医師と妻を問い詰めます。医師は催眠を使っていたことは認めたものの、森での不可解な出来事は謎のままでした。その後、再び森で霊界と繋がり、ジョンはあの世に吸い込まれます。そこで母親の過去を知り理解することができ、話の最後には便秘も解消されるというストーリーです。

読んだ感想

「ウランバーナの森」というタイトルと、ビートルズというと、何となく「ノルウェイの森」をイメージする程度で、もともとビートルズやジョン・レノンについて詳しくなかったので意外な人物像という印象でした。

また単純に笑える描写が多くあるため、楽しく読むことができる小説だと思います。普段あまり小説を読まない人にとっても、とっつきやすい本だといえるのではないでしょうか。

読後感はほのぼのしていて、奥田英朗らしい雰囲気です。ストーリーの中では思い出に絡めた小道具としてエジンバラ・ロックというお菓子が登場するのですが、調べてみるとカラフルなラムネ菓子のようで、子どもが好きそうな駄菓子っぽさに切なさを感じました。

Amazonや楽天で購入して読むことができます。

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