「未来線上のアリア」がどのような作品なのか、読者によるライトノベルのあらすじと感想です。
読んだきっかけ
本屋をぶらぶら歩いていた時に、偶然新刊で出ていたのを発見してタイトルの響きに惹かれたこともあって手に取りました。
それまで現代作家のミステリーを読んだことが無かったので、SF×ミステリーというところにどんな話なんだろうと思って読み始めました。
どんなライトノベル?
「未来線上のアリア」は故障した宇宙船を舞台としたSFミステリーです。著者は、綾崎隼。
「宇宙船が故障した原因が、実は人為的なものかもしれない」という疑惑が浮上し、犯人探しが始まります。
連鎖するように起こる不可解なことの数々、存在しないはずの第三者、差し迫る選択の刻限、入り乱れる人間関係を、主人公の視点を通して追います。
読み始めたら一気に読み通してしまいたくなってしまうこと間違いなしの小説です。
あらすじ
コールドスリープから目覚めた医務官リブカ・カウラザカは、先に目覚めていた宇宙船の船長の死と船内の酸素発生機の故障を知る。
目的地である惑星アルチアまでは残り八日、このままでは乗船している先遣隊八名分の酸素を賄うことは不可能である。
酸素が不足している以上、乗務員の削減が急務として議題に上がるが、その候補者としてリブカが慕うアリア・ミルコゼットが選ばれてしまうのはほぼ確実であった。最愛の人を守り抜く為、犠牲者をださない為にあらゆる手段を模索するが・・・。
読んだ感想
本書を読み始めから数えて比較的早い段階で、酸素発生機を修復する手段を現状ではとれないこと判明し、乗務員の命を選別しなければならない場面が出てきます。
ここで主人公リブカ・カウラザカは、始め様々な考えを巡らせ何とか全員で助かるための策を見出そうと奮闘するのですが、その思いも空しく、彼が思い慕うアリア・ミルコゼットが犠牲者に選ばれるシーンに直面します。
ここで私は主人公の視点に没入し、犠牲に選ばれた最愛の人をただ見届けることしか出来ないというどうしようもない無力感と虚無感を感じました。
しかし非情にも物語は続き、彼を慕っていた人を始めとした乗組員達の命を刈り取っていきます。そこで繰り広げられる陰謀や人間模様はとても残酷で重たいものでした。
けれどもそれゆえの美しさ、陰惨なだけではない世界が作者・綾崎隼の類稀なる筆力で描き出されています。
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