佐伯泰英は、1942年北九州市生まれ。大学卒業後に闘牛カメラマンとしてスペインで活動します。その後1999年に「密命」シリーズを手がけ始め、「居眠り磐音江戸双紙」、「吉原裏同心」、「酔いどれ小籐次」などの時代小説シリーズを次々に発表します。その文量たるやすさまじいものがあります。
佐伯泰英の時代小説は、迫力のある剣闘シーンで悪を斬っていくのが痛快で、武士の心得・誇り・心情などがありありと伝わる作品です。時代ものが好きな方にとっては、佐伯泰英の作品がおすすめです。作品数も膨大なので長く堪能することができますね。
今回は、それら膨大な作品のなかから、読者に好きな作品を1冊選んでもらい、その結果をランキング形式でまとめました。どの作品を読もうか考えるときの参考にしてください。
「居眠り磐音江戸双紙 シリーズ」6票
直心影流の達人、坂崎磐音。藩内騒動がもとで自藩を離れ、江戸深川六間堀で浪々の日々を送る。ある日、磐音はふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが、幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。些事にこだわらず春風のように穏やかな磐音が颯爽と悪を斬る、著者渾身の痛快時代小説。
「BOOK」データベース
日本の時代小説シリーズもので2002年から2016年にかけて刊行。佐伯泰英の代表的な作品です。テレビドラマでもシリーズ化されています。
読者の声
主人公の磐音が江戸の人たちと交流しながら様々な事件に巻き込まれながらも類いまれな剣さばきで解決していく爽快なストーリーが面白いです。(38歳 男性 会社員）
何事もまっすぐ真摯に生きる磐音とそんな彼を取り巻く長屋の人や今津屋との日々、おこんとのじれったいぐらいの恋愛模様も好きです。柔らかい磐音の人柄の奥に辛い過去があり、その対比も見どころです。(52歳 女性 会社員）
主人公の佐々木磐音が幕末の時代の様々な事件や陰謀にもがきながら生き抜く純文学。(39歳 男性 会社員）
江戸時代を舞台とした時代劇小説。主人公の周りで起きる事件を、痛快に悪を斬っていくところが読みどころです。(52歳 男性 会社員）
「居眠り磐音江戸双紙 陽炎ノ辻」
直心影流の達人がいた。藩内騒動がもとで自藩を離れ、江戸で浪々の日々を送る。ある日ふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが、幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。些事にこだわらず春風のように穏やかに、颯爽と悪を斬る時代小説です。(44歳 男性 自営業）
「居眠り磐音江戸双紙 姥捨ノ郷」
命を懸けての逃避行の果てに辿り着いた隠れ家での様々なやりとりが描かれる作品。規律の厳しい江戸の世にいながら自由気ままな登場人物達の人間模様が愉快です。(25歳 男性 会社員）
「密命 シリーズ」5票
六万冊の蔵書を誇る豊後相良藩に、切支丹本所持の嫌疑がかけられた。時あたかも五代将軍綱吉が没した直後。新将軍宣下までに大名の粛清を行なうのが幕府の常套手段であった。藩主から密命を帯びた直心影流の達人金杉惣三郎は、江戸に潜入し切支丹本究明に当たるが…。
「BOOK」データベース
「密命 見参!寒月霞斬り」から「晩節 密命・終の一刀」までの26巻。
読者の声
下町のほんわかした描写と剣豪との話のアンマッチが面白い。なかなかすべて読むのは大変ですが。(47歳 男性 会社員）
「密命（巻之一）見参！寒目霞斬り」
当時の武家の心得、武士としての誇り、心情などがありありと伝わる作品です。時代もの好きにはたまりません。(19歳 女性 学生）
「密命―弦月三十二人斬り」
次々に現れる刺客との勝負に夢中になれ、物語もとても面白いです。(38歳 男性 会社員）
「無刀―密命・父子鷹」
文庫書下ろし時代小説という新たなジャンルを切り拓いた著者のヒットシリーズ「密命」の第15弾です。(59歳 男性 自営業）
「刺客―密命・斬月剣」
剣術を使う時代劇を初めて読んだがとても迫力があって面白いと思いました。(39歳 男性 無職）
「吉原裏同心 シリーズ」4票
安永五年、豊後岡藩の馬廻役神守幹次郎は、納戸頭の妻汀女と逐電した。幼馴染みの二人は追っ手を避け、当てのない流浪の旅を続ける。やがて江戸に出た幹次郎は、吉原遊廓・四郎兵衛会所の名主に剣の腕を買われ、用心棒となった。
ある日、彼は遊女が読んだ俳句から吉原炎上を企む無頼集団を突き止める。その裏には、心中事件に纏わる悲劇が!?長編時代小説の力作。
「BOOK」データベース
吉原裏同心も時代小説のシリーズもので、「流離 吉原裏同心」から始まり、「流鶯 吉原裏同心（二十五）」までの25巻。テレビドラマ化もされています。
読者の声
NHKの木曜時代劇で観て、原作に興味を持って読み始めました。駆け落ちした姉さん女房の汀女のイメージがドラマの貫地谷しほりさんにピッタリでびっくりしました。(47歳 女性 自営業）
吉原の遊女たちが生き生きと描かれている様子や、主人公が用心棒的な立ち位置としてさっそうと活躍するのが面白い.。(30歳 女性 会社員）
汀女との今の時代じゃ考えられない駆け落ちがロマンがあります。吉原での事件解決も痛快です。(43歳 女性 主婦・主夫）
「仮宅 吉原裏同心」
神守さまの男らしく頼りになる格好良さが堪能でき、汀女さまの凛としながらもしなやかで優しいところが満喫できるところです。(40歳 女性 会社員）
「浅き夢みし: 吉原裏同心抄」
同作者の吉原裏同心の同シリーズであるお話ですが、こちらだけでも楽しめる内容です。内容は読みやすく、サラサラと進むお話が読みやすいので、時代物が苦手でも読み込んでいけると思います。(34歳 女性 会社員）
「悲愁の剣」3票
長崎代官の季次家が抜け荷の罪を着せられ、とり潰しとなった。季次家を主家と仰ぎ、今は海外放浪の身にある南蛮絵師・通吏辰次郎は、報せを受けて帰国するが、当主・茂智、茂之父子や、茂之の妻であり辰次郎の初恋の人でもあった瑠璃は、何者かによって惨殺されていた。
お家再興のため、そして季次家が陥れられた真相を探るため、茂之の遺児・茂嘉を伴って江戸へ向かう辰次郎。だが、江戸で待ち受けていたのは、迫りくる刺客と、さらなる試練だった―。
「BOOK」データベース
読者の声
江戸時代を舞台にし、主人公の主家に起こった事件を解き明かすために奮闘する姿が楽しい。(25歳 男性 学生）
ミステリ―作家から時代小説作家に変更しての第一作で、非常に力の入った良い作品です。(65歳 男性 自営業）
歴史ものなのですが読みやすい文体で物語が軽快なやり取りによって進むのがおすすめです。(33歳 男性 会社員）
「鎌倉河岸捕物控 シリーズ」2票
江戸鎌倉河岸にある酒問屋の看板娘・しほ。ある日、武州浪人であり唯一の肉親である父が斬殺されるという事件が起きる。相手の御家人は特にお咎めなしとなった上、事件の原因となった橘の鉢を売り物に商売を始めると聞いたしほは、無念の思いを募らせるのだった…。
しほを慕う政次、亮吉、彦四郎や、金座裏の岡っ引き宗五郎親分との人情味あふれる交流を通じて、江戸の町に繰り広げられる事件の数々を描く連作時代長篇。
「BOOK」データベース
読者の声
江戸の町の風景の描写と、そこに生きる人々の息づかいさえ感じさせる作品。(45歳 女性 自営業）
江戸時代の幼馴染3人の青春を丹念に描きつつ、捕物の経験を通しながら成長していく。(47歳 男性 会社員）
「ピカソ青の時代の殺人」2票
東京競馬場の駐車場で一台のロールスロイスが炎上、その中から死に化粧を施された異様な男の死体が発見される。男は西洋骨董店「四匹の猫」のオーナー・阿澄林成。事件を追う府中署刑事・夏苅真左の前に現れたのは、若き日のピカソが描いたと思しき一枚の絵だった!
スペインへ飛んだ夏苅は、ピカソの“青の時代”の秘話に触れ、事件の核心へと迫るのだが…。国際色豊かに描く、壮大なサスペンス・ミステリー長篇。
「BOOK」データベース
読者の声
日本の刑事がスペインで操作する国際的な舞台設定が珍しいが、どんでん返しもあり、最後になって伏線が回収される流れは読んでいて楽しくなります。(62歳 男性 会社員）
ピカソの絵画をテーマにスペインまで広がりを持つ、壮大なミステリー作品。(56歳 男性 無職）
「新酒番船」2票
海次は十八歳。丹波杜氏である父に倣い、灘の酒蔵・樽屋の蔵人見習となったが、海次の興味は酒造りより、新酒を江戸に運ぶ新酒番船の勇壮な競争にあった。番船に密かに乗り込む海次だったが、その胸にはもうすぐ兄と結婚してしまう幼なじみ、小雪の面影が過っていた―。
海を、未知の世界を見たい。若い海次と、それを見守る小雪、ふたりが歩み出す冒険の物語。
読者の声
帆船15隻で江戸到着壱番を競う700キロの競争に、剣劇シーンは無いがハラハラドキドキの一気読でした。(47歳 男性 自営業）
時代や背景は違えど、恋愛や仕事で抱える葛藤はいつだって同じなんだな、と思いました。(28歳 女性 会社員）
「夏目影二郎始末旅 シリーズ」1票
日本橋小伝馬町の牢から出された一人の男。名は夏目影二郎という。罪を犯し遠島となる直前、牢から出された影二郎を待ち受けていたのは、腐敗した八州廻りの大掃除という役目だった。大薙刀を鍛え直した名刀「法城寺佐常」と南蛮外衣で関八州に巣くう者どもに立ち向かう。
佐伯泰英の原点の一つともいえるシリーズ第一作が決定版で登場。巻末に佐伯奏英外伝を特別収録。
「BOOK」データベース
夏目影二郎が日本中を旅する物語。時代小説シリーズもので全15巻あります。
読者の声
「八州狩り 夏目影二郎始末旅」
徳川幕府の仕組みを知るにも良い作品。勧善懲悪で、読み終わるとスッキリします。(43歳 女性 会社員）
「初午祝言 新・居眠り磐音」1票
貧乏御家人の品川柳次郎が幼馴染みのお有と祝言を迎えるまでの表題作をはじめ、南町奉行所の名物与力・笹塚孫一がまだ十七歳のときに謀略で父を失った経緯を描く「不思議井戸」、刀剣の研ぎ師・鵜飼百助が半日、用心棒として坂崎磐音を雇う「半日弟子」など、磐音をめぐる人々の在りし日を取り上げた五編、待望の書き下ろし。
「BOOK」データベース
読者の声
作者の数ある居眠りシリーズ作品の中でも、この本から読むと分かりやすく楽しめます。(42歳 女性 無職）
「桜吹雪 新・酔いどれ小籐次」1票
近ごろ呆けの進んだ新兵衛が妙な間合いで「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えるため、みんなは困り果てていた。
身延山久遠寺に詣でたことがあり、それを思い出しているらしい。どうにかしようと、孫のお夕の付き添いで小籐次はおりょう、駿太郎とともに代参の旅に出るが、一行を何者かが待ち受けていた。好調シリーズ第3弾!
「BOOK」データベース
「新・酔いどれ小籐次」は書き下ろしの時代小説シリーズもの。
読者の声
人情味溢れていてどのような新たな展開で進んでいくのかが期待通りで読むことが楽しい。(48歳 女性 主婦・主夫）
「海戦 交代寄合伊那衆異聞」1票
列強との圧倒的な差に立ち向かうのは若き力だ。国産洋式帆船ヘダ号の外洋演習の指揮官に、座光寺藤之助が指名された。日々逞しさを増す操練所生たち。ヘダ号に装備されたアームストロング砲のお披露目は、藤之助因縁の老陳との砲撃戦。追い込まれた玲奈らを救えるか!?快進撃幕末小説第11弾。
「BOOK」データベース
読者の声
国産の西洋式帆船「ヘダ号」に関する歴史的事実を知ることのできる、幕末小説の決定版だと思います。(50歳 女性 自営業）
「テロリストの夏」1票
「CIAの特別工作員」カメラマンの時峯はわが耳を疑った。カリフォルニア半島からボートで南下する冒険取材の同行者の中に、フォークランド戦争時の大量殺戮者や特別工作員がいたとは。しかも彼らは、七千万人を殺戮可能な毒ガスを積んだ隠密機をどこかに飛ばそうとしている。
国際的謀略に突如巻き込まれた日本人男女三名の起死回生の抵抗が始まった…。
「BOOK」データベース
読者の声
世界を左右する陰謀に徒手空拳で挑む主人公達が格好良かったのを覚えています。(48歳 男性 パート・アルバイト）
「ゲルニカに死す」1票
二十世紀美術の傑作、ピカソの「ゲルニカ」が日本にやって来る! ―テレビ制作会社元社長・土岐のもとに、スペインに暮す恩師から連絡が入った。
土岐は東洋テレビに話を持ち込むが、スペイン政府の真意を探ろうと局が現地に派遣した社員が、喉をかき切られて惨殺される。それはスペイン市民戦争時代から暗躍し続ける殺人集団“三角帽子”の手口と酷似していた…。
ゲルニカの過去と現在を結ぶ闇の歴史を照射する長篇ミステリー。
「BOOK」データベース
読者の声
スペイン政府の真意を探ろうと局が現地に派遣した社員が、喉をかき切られて惨殺されるというショッキングな展開。(49歳 男性 会社員）
まとめ
いかがでしたでしょうか。佐伯 泰英のおすすめ小説をランキング形式で紹介しました。ぜひ作品を手に取って読んでみてください。