「黒源氏物語」がどのような作品なのか、読者によるあらすじと感想です。
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桜田雛さん著者の「黒源氏物語」は、あの有名な紫式部の書いた長編小説である「源氏物語」が元になった作品です。
まばゆいばかりの美しさと才を持ち、神童とまで言われた光。だけど、幼い頃に母親をなくし、父からは皇族の位を奪われ、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな光の元に、ある日、母そっくりのふじつぼという女性が現れ、父親と結婚したことで、光の義理の母親になります。光は次第にふじつぼを慕うようになります。
幼い頃から美しく、そして賢い光は、青年になると、さらに才色兼備っぷりに磨きがかかります。葵の上という女性との婚約の話がきますが、興味のない光はつっぱねます。
そして、さまざまな女性と浮き名を流しますが、心にあるのはいつでもふじつぼのことでした。ですが、ふじつぼは光との関係を持つことは、光の将来を潰してしまうことと考えて、あえて光にきつい態度で接して距離を取ろうとします。光は恋い慕う相手から厳しくつっぱねられてしまったことに傷つき、悲しみに暮れます。
そして、自分の無力さを思い知った光は、葵の上との結婚を決めるのでした。そうした中で、偶然会った女性がふじつぼとどこか被る気品を持ち合わせており、そんなところに彼女を重ね合わせて強引に抱いたり、また他ではふじつぼにどこかにた少女を見つけては預かって育てることにしてみたり。最後まで、光源氏の暴走は止まりません。
お話のスピード感が素晴らしいです。この作家さんの絵がまず美しくて艶っぽく、雰囲気があるので、一気に世界観に引き込まれて行ってしまいました。光の美貌には読んでいてうっとりしてしまいます。こうした耽美な雰囲気を描くのが本当に上手です。そして、何より光のキャラクターがとても良い味が出ていました。
容姿が美しいだけではなく、どこか性格的なところや思考がドス黒い光。そんな光の内面的な苦悩や葛藤には切なくなりました。えげつないことを考えている時の光の顔がものすっごい悪い顔になるのもちょっと面白かったです。かと思ったら、よそいきの顔ではとても美しくなったりします。この描き方のギャップも面白かったです。漫画の良いところだなあと思いました。とても面白かったです。
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